錦織 難敵アルマグロにストレート快勝発進「いい出だし」

[ 2015年1月21日 05:30 ]

初戦を突破しサイン攻めに遭う錦織

全豪オープンテニス

(1月20日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 男子シングルスで第5シードの錦織圭(25=日清食品)が、難敵を下して4大大会制覇へ好スタートを切った。世界69位のニコラス・アルマグロ(29=スペイン)に6―4、7―6、6―2でストレート勝ち。元トップ10の実力者を2時間7分で退けた。メルボルンではサッカー日本代表の本田圭佑(28=ACミラン)と初対面し、この日は代表の試合も観戦。日本代表の活躍に刺激を受けつつ、2回戦では世界86位のイワン・ドディグ(30=クロアチア)と対戦する。

 優勝を期待される4大大会の初戦。左足のケガでランキングを落としているとはいえ相手は油断のならない実力者だ。錦織は慎重で、アルマグロはいきなり全開だった。

 バックの強打を鋭く打ち抜き、時速200キロ超の第1サーブも高い確率で決めてくるアルマグロ。「1回戦なので最初から全てを出し切るのは難しかった。緊張もあった」と面食らったような錦織だったが、しぶとくリターンを返すことでリズムをつかんでいった。相手ペースに見えた第1セット。しかし、第10ゲームをブレークし、気付けば錦織が先取していた。

 さらに、ブレーク合戦となった第2セットも競り勝った。第8ゲームは9回のジュースの末にブレークに成功。「自分のディフェンスが良かったので、最初はなかなか攻めることができてなかった」という序盤の手堅いテニスから、タイブレークに入る頃には徐々に本来の攻撃性も発揮。タイブレーク5―0で迎えたポイントでは、自在なショットで18本のロングラリーを制した。玉砕覚悟の突貫攻撃だったアルマグロは、最終セットにはもう息切れしていた。

 「1回戦の“タフさランキング”ではトップの相手」と相手を警戒する一方で、どこかに気持ちの余裕は残していたようだ。試合前のコイントスではサーブを選択。「特に深い意味はないけど、サーブからやってみようと思って」と笑った錦織。リターンでリズムをつくるタイプだけに、最初のゲームはいつもリターンから入るのが定石。それをあえて覆した。おかげで第1ゲームからブレークされるオチはついたが、しっかりと勝ちきれるのもまた実力だ。

 場内にはサッカー日本代表のレプリカシャツを着たサポーターが多数訪れていた。アジア杯の会場は道路を挟んで目と鼻の先。試合を終えた錦織は今度は自分がサポーターに早変わりし、夜は日本代表の試合を応援。香川や長友とはすでに顔見知りだが、メルボルンでは関係者を通じて本田圭佑と初対面し、じっくり会話をする機会もあった。普段は草食系の錦織だけに、本田の強気な物言いには驚いたという。そんな本田や香川のゴールも見届け英気を養った。

 「いいプレーも出て3セットで決められた。いい出だしだと思う」。ストレートで下したことも今後の勝ち上がりを考えればプラス。順調に白星を重ねる日本代表に続けとばかりに、錦織も会心のスタートを切った。

続きを表示

この記事のフォト

2015年1月21日のニュース