高藤 日本初頂点だ!足取り禁止で開発 「腰を持ち」会心一本

[ 2014年4月7日 05:30 ]

男子60キロ級決勝、石川(左)を破り優勝した高藤

柔道全日本選抜体重別選手権最終日

(4月6日 福岡国際センター)
 男子60キロ級で高藤直寿(20=東海大3年)が国内シニア大会で初優勝した。昨年の世界選手権に続いて、国内も制し名実ともにNo.1に輝いた。

 小さな体で懐に潜り込み、密着した瞬間に相手を腰に乗せて投げた。東海大の先輩にあたる石川との決勝戦。「一気に体重を落としすぎた」減量の影響で、試合中の高藤は「全身がつった」状態だったという。そこで序盤は無理せず後半勝負。横落としで有効を奪われた直後の3分13秒、電光石火の一撃で技ありを取り返し、優勢勝ちした。

 1回戦では抱分(だきわかれ)、決勝では移り腰とされたが、高藤にとってはどちらも同じ「高藤スペシャル」。昨年から足取りが全面禁止された中で、得意技を生かそうと研究、開発した技だ。東海大の上水研一朗監督は「高藤は入った瞬間に相手を持ち上げるから技がかかる。あいつにしかできない」とその瞬発力に目を細めた。

 昨年は準決勝で敗れながらも、代表に選ばれ世界一に輝いた。国際大会では連勝続きなのに、国内では学生の試合でも敗れることもある“外弁慶”解消のため今大会は「海外ではちゃんと組み手をつくって足技を出していく。だけど日本人には徹底して外国人のような柔道をしようと思った」と戦い方を切り替えた。

 世界王者の自覚と重圧から練習も「いつもの倍以上」こなしてきた。「これでやっと富士山に登れた。次はエベレストを目指していきたい」。必殺技にさらに磨きをかけ、再び世界の頂へと向かう。

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2014年4月7日のニュース