【箱根駅伝】早大、明大は“下克上”狙う 東農大は日体大の再現目指す

[ 2014年1月2日 06:53 ]

実績のある1区でエントリーした早大・大迫

第90回箱根駅伝

 駒沢、東洋、日体以外にチャンスはないのか――。何が起こるか分からない箱根駅伝では“下克上”もしばしば。3強崩しに一番近いところにいるのが、早大と明大の伝統校2校だ。

 出雲、全日本とも4位と3位以内に入りきれなかった今季の早大。エントリー選手上位10人の記録ではハーフマラソンの場合、東洋大や駒大、日体大をしのぐ記録をもっており、力量的にはひけをとらない実力といえる。

 カギは1区にエントリーされたエースの大迫。早稲田の顔というより、世界選手権1万メートルに出場するなど、レベルの違うところで勝負している4年生の走りが早大のレース全般を占うと言っても過言ではない。「往路優勝」を1つの目標に掲げている渡辺監督は、大迫の走りで前半戦から3強より一歩前に出たいところ。そうなれば、今回は箱根の山登りと下りに自信を持っていることから、“下克上”も十分おこりうる。いずれにしても10人が納得のいく走りができないと3強の一角でも崩すのは簡単ではない。

 明大も1949年(昭24)の25回大会以来、65年ぶりの優勝をうかがう。西監督は「目標は総合3位」と謙虚だが、エントリーメンバーの中で5000メートル13分台が11人、1万メートル28分台が6人と3強と十分勝負できるメンバー構成は魅力だ。ただ、出雲で12位と低迷するなど、走ってみないと分からないという不安定要素もあり、一人でもブレーキになると、絶対的なエースがいないだけに、シード権争いのうずに巻き込まれる可能性もはらんでいる。

 早大、明大に続くのが、青山学院大と山梨学院大。青学大は全体的に大崩れする選手がおらず安定した走りが身上。「秘策を練りつつ3強崩しに励んでいる」という原監督は当日、どんなサプライズを見せてくれるのか楽しみである。

 2区の外国人選手で上位に付けながらもその後が続かないシーズンが多かった山学大だが、今年は3年の井上(鎮西学院)が予選会で日本人2位の記録を出すなど、2区を走るオムワンバに匹敵する走りを見せており、失速の可能性が少なくなった。

 今季は出雲12位、全日本13位と振るわないが、9人の経験者が残る帝京大、予選会で昨年の日体大のタイムを上回る好記録で突破した東京農大楽しみな存在。農大は日体大同様、予選会からの箱根Vという奇跡を起せるか注目される。

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2014年1月2日のニュース