松山 メジャー制覇を正夢に 米ツアー本格参戦、まずはマスターズ

[ 2014年1月2日 05:30 ]

新春の誓いを色紙に書く松山

 怪物がビッグな新年の目標を掲げた。今年から本格的に米ツアーに参戦する松山英樹(21=東北福祉大)が“メジャー制覇”を宣言。既に海外メジャー第1戦、マスターズ(4月10日開幕、米ジョージア州)の出場権を手にしており、まずはオーガスタで初夢に挑戦する。

 この男ならやってくれるかもしれない。昨季、数々の金字塔を打ち立てた松山が、新春から日本人初の快挙に狙いを定めた。ジャンボに青木、中嶋、伊沢も丸山もはね返された男子4大メジャーの壁。だが、21歳の怪物は「人間としても成長して、メジャーで勝てるように頑張りたい」と力強く言い切った。

 決して大風呂敷を広げたわけではない。本人にはその道筋がはっきり見えている。昨年は全米オープン10位、全英オープン6位、全米プロ選手権19位。難セッティングに苦しみながらも「(内容を)詰めていけばメジャー優勝にも近づくかな」との手応えを語った。詰める部分は「飛距離や精度、ショートゲームなど。下半身を含め、体も強くしたい」というが、課題を一つずつ消化することで初夢は現実へと近づいていくことになる。

 昨年4月のプロ転向後、国内ツアーではタイトルを総なめにした。新人最多の年間4勝を挙げて史上初のルーキー賞金王に輝いた一年を振り返り、「賞金王になったという実感はまだないが、結果的にいいシーズンを送れた」と充実感をにじませた。だが、もう気持ちは切り替わっている。

 今年の初戦は9日開幕のソニー・オープン(米ハワイ州)を予定。昨年11月下旬に痛めた左手親指付け根はまだ完治しておらず、「手と一緒に体も休めている」状態。それでも、「同じようにケガをしてはマスターズにも響くし、来年のシード権獲得にも関わる。焦らずにやっていきたい」と平常心を強調した。

 3月には東北福祉大を卒業する。震災から3年を迎える第二の故郷を思い「少しでも協力していけたら」と昨年10月から始めた1バーディー1万円、1イーグル2万円を寄付する被災地支援の基金は今年も継続する。東北への思いも胸に、怪物の伝説は米国に舞台を変えて続いていく。

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2014年1月2日のニュース