日体大エース本田 花の2区で復帰へ 笑って泣いて最後に笑う

[ 2014年1月2日 05:30 ]

本番へ向け調整する日体大・本田

 第90回箱根駅伝は2日午前8時に東京・大手町をスタートし、2日間にわたって神奈川県箱根町との往復10区間217・9キロに23校が参加して行われる。昨年、30年ぶりの総合優勝を果たした日体大はケガで10月の出雲駅伝と11月の全日本大学駅伝を欠場した本田匠(4年)が復帰し、2年続けて2区にエントリー。昨年、名門復活ののろしを上げたエース区間で、出雲3位、全日本8位に終わったチームに勢いをつける。

 「天国も地獄も味わった」。4年間を振り返る言葉は、そのまま本田のこの1年を表している。1月に箱根で総合優勝を飾り、3月には矢野圭吾(4年)とともに日本代表として世界クロスカントリー選手権に出場し、5月には関東インカレのハーフマラソンで優勝。だが、7月下旬に右足底筋を痛めた故障が長引き、10月まで走れなかった。出雲と全日本でチームが沈むのを見たエース格は「悔しい思いしかない」と唇をかみしめた。

 2年時の箱根はまさかの19位でシード落ち。対照的に3年だった昨年は2区で7位から3位へ浮上し、往路優勝の陰の立役者となった。オムワンバ(山梨学院大)に一度抜かれながら最後に抜き返した1時間10分47秒の激走を別府健至監督(47)は「あれで“今年はいける”と思った。あの気迫が後ろの走者に伝染した」と勝因に挙げ、今年も大一番に間に合った本田に「いるといないとでは違う。存在感で引っ張れる」と期待した。

 走れない3カ月間を無駄にはしなかった。箱根だけに照準を向けて日体大独自の体幹トレ「BCT(ベースコントロールトレーニング)」に取り組み体を一からつくり直した。メンバー外になった自分がチームのために何ができるか考え、給水係や補助要員などサポート役も務めた。「1年の時もやったけど、丸一日裏方を務めることがこんなに大変なんだと思い出すことができた。人間として成長できたと思う。サポートに感謝できる走りをしなくては」。チームが全日本に出場していた11月初旬の合宿から走り始め、調子は8~9割まで回復している。

 卒業後は旭化成入社が内定。20年東京五輪を目指してマラソンに挑戦する方針だ。「箱根が大学生活全てを懸けたレース。昨年より上を目指して走るので1時間8分台、狙えるなら日本人トップ」。最後にもう一度天国を味わうために、再びエース区間で逆襲のスイッチを入れる。

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