31歳“おっさん”長島 金にこだわる 98年清水以来快挙へ

[ 2014年1月2日 05:30 ]

自称“おっさん”31歳の長島。スケート人生を懸け金メダル奪取に挑む

ソチ五輪特集 スピードスケート

 日本のお家芸スピードスケートがソチ五輪での金メダル奪取に挑む。虎視眈々(たんたん)と主役の座を狙うのは男子500メートルの長島圭一郎(31=日本電産サンキョー)だ。10年バンクーバー五輪は1本目6位から大きく巻き返しての銀メダル。チームメートの加藤条治(28=日本電産サンキョー)とともに日本が誇る強力な二枚看板が、98年長野五輪の清水宏保以来の頂点を目指す。女子団体追い抜きにもメダルの期待がかかる。

 自称“おっさん”を侮ってはいけない。10年バンクーバー五輪男子500メートル銀メダリストの長島だ。同種目は加藤に注目が集まりがち。そんな中、「プラン通りに滑りたい。それができなくても、勝てればいい」と金メダルだけにこだわる。納得がいかなければ一晩中でも刃をいじるほど人一倍スケーティングに神経をとがらせる31歳。ベテランが全身全霊を込めてソチの舞台に臨む。

 この4年は決して順調ではなかった。「トリノからバンクーバーまでの4年が凄く長くて長くて、正直バンクーバーのシーズンも疲れてしまってあまり状態は良くなかった」。ソチ五輪にピークを持っていくために、バンクーバー五輪翌年はあえて全力で取り組まなかった。だが、その反動か2年目、3年目と「体の反応が半テンポくらい遅れて、全部がずれていった」となかなか調子が上がらない。それでも、持ち前の技術を駆使し、1シーズンごとにW杯で1勝を挙げて最低限の成績は残してきた。

 勝負の年。今オフは長距離陣の練習に飛び込み、体を追い込んだ。ショートトラックの練習では全日本の練習に入り、徹底的に体力を強化。“異種目トレ”の効果で今季はW杯で2勝。アウトスタートが得意な長島にとって、課題のインスタートでもW杯3位と手応えを得た。それでも、代表選考会では加藤に次ぐ2位。「試したいことができなかった。練習するしかない」とさらなる進化を目指している。

 注目されると燃えるタイプだが、男子500メートルは何かと加藤にスポットライトが当たることが多い。「自分には話題性とか好感度ないんで。ビジュアルですかね。あんまり注目されてないんで。さみしいっすね」とおどけるが、日本中からスポットライトを浴びるには何をすればいいか分かっている。「もしダメならもう1回(の五輪)はない。3回やってダメならセンスない」とソチでの引退の可能性も示唆。スケート人生を懸けて、長島がリンクに立つ。

 ◆長島 圭一郎(ながしま・けいいちろう)1982年(昭57)4月20日、北海道中川郡池田町生まれの31歳。3歳で競技を始め、中学では野球部にも所属していた。池田高、日大を経て、05年に日本電産サンキョーに入社。10年バンクーバー五輪500メートルで銀メダル。W杯通算13勝。1000メートルの日本記録保持者。1メートル72、70キロ。

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