パラ、五輪と強化事業の所管一本化 競技力向上へ歓迎の声

[ 2013年8月23日 19:27 ]

 政府は23日、パラリンピックが厚生労働省、五輪は文部科学省に分かれている選手強化事業の所管を、来年度から一本化することを決めた。パラリンピックでトップ選手への支援強化と競技力向上を図るのが狙いで、関係者からは歓迎の声が上がった。

 障害者スポーツを所管する厚労省の一部事業を移し、文科省が来年度予算の概算要求に関連経費を盛り込む方針。五輪でのメダル獲得が有望な競技を重点的に支援する文科省の「マルチサポート事業」の対象に、パラリンピックの競技を加えることも検討する。

 ナショナルトレーニングセンターや国立スポーツ科学センターなどの施設は文科省の管轄で、パラリンピックの選手はほとんど使えない状況だった。将来は自由に利用できる見通しとなり、冬季大会のアルペンスキーで活躍した大日方邦子・日本パラリンピアンズ協会副会長は「大きな一歩だ。高いレベルを求めたときに、それに見合ったサポートを受けられるのはありがたい」と話した。

 五輪選手に比べて遅れている科学的データの蓄積やトレーニング方法の確立も進むことが予想される。日本パラリンピック委員会の中森邦男事務局長は「障害者スポーツの研究が進み、指導、強化の幅が広がってくれれば」と期待を込めた。

 日本障害者スポーツ協会の吉田秀博常務理事は「長い間、スポーツ行政の一元化をお願いしてきたのでありがたい。選手の強化に向けて、いい方向に進むことを期待している。今後の文科省と厚労省の動きを注視していきたい」と語った。

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2013年8月23日のニュース