先週4位の“行け行け”から暗転…遼“池”ポチャ6度

[ 2011年8月13日 06:00 ]

初日の18番、第1打を池に入れ、ドロップする石川

第93回全米プロ選手権第2日

(8月12日 米ジョージア州ジョンズクリーク アトランタ・アスレチック・クラブ=7467ヤード、パー70)
 先週米ツアー自己最高の4位に入った石川遼(19=パナソニック)は初日最下位に沈んだ。10番から出たが、6度も池に入れるなど、プロ転向後、自己ワーストとなる85の大叩きで、15オーバーの155位発進。予選通過は絶望的となった。

 先週は優勝争いに絡んで海外メディアに囲まれた。今度はあまりにひどいスコアゆえに取材を受けた。米ツアー自己最高の4位に入ったブリヂストン招待とのあまりの落差。「コースの難しさ以前に自分のスイングができなくて、この結果になった」。石川は悔しさをにじませ、自らの力不足を冷静に受け止めた。

 156人中最下位タイの155位。85はプロ転向後のワーストスコア。1ラウンドで6回の池ポチャも初体験。AP通信は「19歳の石川が自分の年齢に匹敵するオーバーパーを打った」と驚きを込め、15オーバーの大叩きを世界に配信した。

 「11番のダブルボギー、15番のティーショットのミスで少しずつ硬くなった。スイングにスピードがなくなった」と難所の15~18番だけで8オーバーと乱れに乱れた。初日前半のイン9ホールだけで、今季最後のメジャーは事実上終わった。

 硬く速いグリーンや芝の種類といったコースの変化に対応できず、先週さえたアプローチとパットも精彩を欠いた。一方で先週優勝を争った同組のアダム・スコットは相変わらずの安定感で13位発進。「このセッティングで2週続けていいプレーができるのが世界のトップ」と思い知った。そのスコットも「このコースではああいうことが起こり得る。自分に期待もしていただろうし、リョウには厳しい1日になった」と石川を気遣った。

 優勝争いの“後遺症”を指摘したのは仲田健トレーナー(42)だ。「体温や脈拍は問題ないけど潜在的な疲労感があった」と米ツアーでは初体験だった優勝争いによる疲れに目を向け、「初めてフルマラソンを走った人が思った以上に回復に時間がかかるように、これは慣れて鍛えていくしかない」と語った。

 悪夢のラウンドの教訓を生かすも殺すも石川次第。「凄く悔しいですけど、それもこういう舞台に立たなければ経験できなかったこと」。その挑戦はすでに第2ラウンドから始まっている。

 ≪遼のワースト記録≫

 ★自己ワースト これまでは昨年3月の米ツアーのトランジションズ選手権初日と、今年6月の日本ツアー選手権初日の83。アマチュア時代には07年10月のブリヂストン・オープン2日目の86がある。

 ★最下位 昨年のトランジションズ選手権初日の144位以来。07年ブリヂストン・オープンでも100位で予選落ちしている。出場人数の少ない日本シリーズJT杯では09年、昨年と2年連続で初日最下位。

 ★ハーフワースト 前半インでの45は、7月の全英オープン第2日インの43を上回る海外ワースト。国内を含めても6月の日本ツアー選手権初日インに並ぶタイ記録。

 ★全米プロ日本人ワースト これまでは87年の青木功、03年の谷口徹の82がワーストだった。

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2011年8月13日のニュース