明大 全勝Vならず3位…選手権で雪辱を

[ 2010年12月6日 06:00 ]

<明大・早大>ノーサイドの笛にがっくりの明大フィフティーン

 【関東大学ラグビー・明大15―31早大】吉田メイジが12年ぶりの優勝を逃した。元日本代表WTB吉田義人監督(41)が率いる明大は重戦車復活を目指して鍛えてきたFWが早大にはね返されて完敗。早明戦で勝つか引き分ければ12年ぶり15度目の優勝となるはずが、終わってみれば3位。指揮官は19日に開幕する大学選手権での14季ぶりの優勝を誓った。

 スタンドで観戦した明大の吉田監督はノーサイドの瞬間、涙をこらえながら空を見上げた。96年に亡くなった恩師の北島忠治元監督に12年ぶりの対抗戦優勝を誓って臨んだ一戦。「永遠のライバル」というワセダに完膚なきまでに叩きのめされ「メイジは真っ向勝負で挑んだが、ワセダさんに実力を出させてもらえなかった。(北島)先生はもっと修業せいということだと思う」と唇をかんだ。
 FWが敵陣ゴール前でくぎ付けにされた。前半10分すぎから約10分間で得た3度のペナルティーは、すべてPGではなくスクラムを選択。No・8杉本主将は「サインはST(スクラムトライ)」と味方を鼓舞したが、プロップ城は「ワセダに回されて押せなかった」とゴールラインに届かず無念の表情。SO田村も「あの10分で勝負が決まった」とうなだれた。
 吉田監督就任2年目の今季は重戦車復活を目指して始動。指揮官は「相手1人をメイジは2人で倒せ。運動量が2倍必要だ」と猛練習を敢行。8月上旬からはFW19人でニュージーランド合宿を行い、早明戦を12年ぶりに全勝で迎えた。しかし、ワセダにボール争奪戦の集散でも遅れて後手を踏み、杉本主将は「接点(体のぶつかり合い)」と一言で悔しさをにじませた。
 吉田監督も現役時代は早大にはね返されてきた。1年生だった87年の雪の早明戦は同点トライを挙げながら7―10で敗れ、主将だった90年度は試合終了直前に24―24に追いつかれた。早大とは順調に勝ち上がれば大学選手権準決勝で再び対戦することになる。「対抗戦は通過点。選手権で優勝を狙っている」。90年度に主将として果たした大学選手権でのリベンジを、今回も狙う。

 <慶大 2位でVS東海も>林監督はCTB竹本主将らと早明戦をスタンドで観戦した。早大が2トライ以内、明大ノートライなら10年ぶりの優勝が転がり込むはずだったが「優勝は重要視してなかった。大学選手権で両チームとも対戦する可能性があるので直接見られてよかった」とコメント。ただ、対抗戦2位だと順当にいけば同選手権準決勝でリーグ戦王者の東海大と対戦することになる。指揮官は「3位がよかったが、自分たちで出した結果なのでしようがない」と気持ちを切り替えていた。

 ≪観客3年ぶり4万人超えた≫早明戦は07年(4万2679人)以来3年ぶりに4万人超えとなる4万2729人の大観衆が集まった。国立での開催となった73年以降、これで4万人超えは32回目となった。08年は明大が6位を確定させ24年ぶりに大学選手権出場を逃した影響もあって2万5710人、09年も5位に低迷していたため3万942人にとどまっていた。今年は12年ぶりの全勝優勝の可能性があった明大のファンが大挙して訪れたこともあり、関東協会関係者も「やはりメイジの人気は凄い」と話していた。

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2010年12月6日のニュース