遼くん 全米切符逃す「期待に応えられなかった」

[ 2010年12月6日 06:00 ]

<日本シリーズJTカップ最終日>優勝には届かなかったものの、何度も見せ場をつくり大勢のギャラリーから温かい拍手をもらう石川

 【日本シリーズJTカップ最終日】1年の最後は拍手に包まれたバーディーで締めくくった。帽子を取って大ギャラリーの声援に応える石川の胸の内には、それでも釈然としない思いがくすぶっていた。

 「ゴルフファンが日本に何人いるか分からないけど、その1人1人に感想を聞きたい。これでよかったのか。僕の中では期待に応えられなかった悔しい部分がある」
 8打差の10位で迎えた最終日は、ミラクルを予感させるロケットスタートを切った。3連続バーディーで滑り出すと、6ホールで5バーディーの猛チャージで一時は首位に3打差まで迫った。だが、そこから伸び悩んで、13番パー4では第1打を左にミス。1メートルのパットも外してのダブルボギーに観念したように天を仰いだ。
 昨年に比べれば勝利数は1つ少なく、獲得賞金も約3000万円下回った。賞金ランクは3位。何よりも周囲に期待された連続賞金王を逃した責任を石川は感じていた。同ランク2位までに与えられる全米オープンの出場権も逸した。予選会から本戦出場を目指す道もあるが、父・勝美氏は「時間の無駄」と否定的。となれば、来年5月末まで世界ランク50位以内をキープすることでしか貴重なメジャーの出場機会は得られない。
 そのためには1カ月前から改造を始めたばかりの新スイングに磨きをかけ、シーズン序盤から成績を残していく必要がある。今大会は結果的に初日の最下位発進が大きく響いたが、残り3日間で15打縮めるという目標は達成。1年間の成績には満足できなくても、来季につながる手応えはつかんだ。「最終戦で得たものは大きかった。来年のマスターズにつながっていく気がした1週間だった」。来季も2月の米ツアーからマスターズを目指していくが「よくなってきたドライバーのタイミングを失いたくない」と最終戦を終えても頭の中はゴルフ一色。オフに入っても石川は歩みを止めることはない。
 ≪父は高評価“大変よくできました”≫石川の父・勝美氏は今季の成績に合格点を与えた。「1年の採点をするなら“大変よくできました”ですね。ゴルフ自体は凄くよくなったし、特にショットはかなりよくなった」と賞金王を逃しても高く評価した。一方で課題に挙げたのはショートゲーム。これまでは練習より実戦を通じての技術向上に主眼を置いてきたが、今後はアプローチやパッティングに費やす時間を増やす考えだ。「これだけひどいとやっぱり練習しないといけない。そうすればマスターズも春先の米ツアーでの結果も違ってくると思う」と語った。
 ≪次戦は12日≫石川の次戦は、12日に行われる男子、女子、シニアの各ツアー対抗戦「日立3ツアーズ選手権」(千葉・キングフィールズGC)になる。その後は年明けにアジアと欧州の団体対抗戦「ロイヤル・トロフィー」(1月7~9日、タイ・ホアヒン)にアジア代表メンバーとして金庚泰、池田、薗田らとともに出場。その後に本格的なオフに入り、2年連続で出場している2月の米ツアー「ノーザントラスト・オープン」(17~20日、米カリフォルニア州)から来季のスタートを切る予定だ。

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2010年12月6日のニュース