遼、見えた!関東初V 3日連続60台で首位

[ 2010年10月10日 06:00 ]

最終18番ホール、バーディーパットを外し、オーバーアクションで悔しがる石川遼

 男子ゴルフツアーのキヤノン・オープン第3日は9日、神奈川・戸塚カントリー倶楽部西コース(7168ヤード、パー72)で行われ、石川遼(19=パナソニック)が3日連続の60台をマークし、今季3勝目に王手をかけた。降りしきる雨の中、4バーディー、1ボギーの69で回り、通算9アンダーの207。66をマークした谷原秀人(31=フリー)、70で回った横田真一(38=サクセスプロ)と並んで首位に立った。

【第3R成績】

 最終18番。7メートルのバーディーパットがわずかに左に外れると、石川はひざまずき天を仰いだ。「入ったと思った。悔しさというより脱力感。体の力が抜けた」。降り続く雨。前日より気温は7度以上も下がった。「雨で飛距離は1クラブ分くらい違った。その辺をナーバスにやっていたから」。難しいコンディションの中、集中力を研ぎ澄まし続けたからこそのパフォーマンスだった。
 4バーディー、1ボギーの69。今季初めての3日連続の60台でついに首位に浮上した。この日はパッティング前の素振りの際に、サンバイザーを左手で押さえ右手だけでパターを振った。「頭が動きすぎるクセがあるのでそのあたりの修正。でも、こんなに良くなるとは思わなかった。素晴らしいパーパットも決まった」と効果はてきめん。予選ラウンドは精度を欠いたが、この日は12番でカラーから5メートルを沈めてパーセーブするなど崩れる気配はなかった。
 前日は会場の横浜から埼玉まで移動。アジア・アマチュア選手権のディナーのゲストとして招かれた。各国のアマチュア選手から「自分は顔が広いのかな」と思うほど握手攻めに遭い、目標とされる存在であることを肌で感じた。マスターズを開催するオーガスタ・ナショナルGCのビリー・ペイン会長からは「もう少し頑張ればまたオーガスタに来られるじゃないか。今週も来週も再来週も勝てばいい」とハッパをかけられた。現在、世界ランク52位。年末の世界ランクで50位以内に入れば出場権を獲得できる。石川も「ぜひ頑張りたい」と気合を入れ直した。
 勝てば3年連続で獲得賞金1億円を突破する。過去に尾崎将司ら5人が達成しているが、プロ1年目から3年連続は初めて。ショットは好調を持続し、パットも復調。「これだけ同じリズムでできているのは珍しい。あしたも同じように18ホールをやるだけ。優勝争いの緊張感を楽しむのは最後の最後」。過去首位で最終日を迎えた大会は9戦5勝。自分のプレーをすることが勝利への近道だと知っている。

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2010年10月10日のニュース