北の大地にトンネルの出口 高山 夫婦で勝ち取ったV

[ 2010年8月1日 17:10 ]

 5年ぶりに手にした優勝トロフィーの感触は格別だった。二人三脚で演じた復活劇に、32歳の高山は「ゴルフができない時期もあり、つらい思い出しかなかった。信じられない」と話した。長いトンネルの出口を、北の大地で見つけた。

 ここ数年、ゴルファーにとっては致命的な左手首のけんしょう炎に苦しんだ。日常生活にも支障が出て「手首をちぎってほかの手首をつけかえたいくらいだった」。そんな時期を支えたのが昨年6月に結婚した梢さん(29)。マネジャー業も兼務して全試合に同行、全ホールについて歩く。「試合中も見えるんですが、梢はボギーだと寂しい顔になるし、バーディーだといきいきとする」
 パットで小樽CCを制し、歓喜の瞬間にたどり着いた。13番で7メートルのスライスラインを沈めて頭一つ抜け出すと、通算17アンダーまでスコアを伸ばし、チャンドとのマッチレースに競り勝った。
 「パットは記憶のゲーム」という。「この傾斜からならどう転がるかを覚え、どう再現するか」。微妙な感覚を忘れないために、絶えずラウンドを続けたオフの練習が土壇場で生きた。

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2010年8月1日のニュース