初めて“現役”が…大相撲の野球賭博で山口組組員ら4人逮捕

[ 2010年8月1日 14:01 ]

 大相撲の野球賭博事件で、警視庁組織犯罪対策3課は1日、賭博の胴元との仲介役とされた阿武松部屋の元力士(35)から現金600万円を脅し取ったとして、恐喝の疑いで、元力士古市満朝容疑者(38)=恐喝罪で起訴=を再逮捕、福岡市や関西を拠点とする指定暴力団山口組傘下の組員3人を新たに逮捕した。

 暴力団の関与が取りざたされた角界の野球賭博をめぐり、組員が立件されたのは初めて。組対3課は胴元の特定など野球賭博の全容解明も目指す。
 新たに逮捕された3人は、山口組系幹部の安田善彦容疑者(45)=福岡市南区=のほか、同組系幹部の自称万谷里弘容疑者(37)=大阪府岸和田市=と、組員の田原勝仁容疑者(34)=奈良県橿原市。
 組対3課によると、4人はいずれも容疑を否認している。
 4人の逮捕容疑は1~2月、元力士に、野球賭博をめぐる古市容疑者の金銭トラブルを口外して古市容疑者の弟の幕下力士(34)に恥をかかせたと因縁を付け、「弟が相撲界にいられなくなる。殺すぞ」などと脅し、迷惑料名目で600万円を受け取った疑い。
 古市容疑者の弟は阿武松部屋の幕下力士。日本相撲協会が野球賭博に関与した一人として名古屋場所を謹慎処分にした。
 被害者の元力士は2006年に現役を引退。元大関琴光喜関や元大嶽親方(元関脇貴闘力)らの賭博を仲介役として仕切っていたとみられ、組対3課のこれまでの任意聴取に、胴元に暴力団が関与していたことを示唆。「名古屋市の指定暴力団山口組系の組員が胴元だった。約1年前に死亡した」と説明していた。
 一方、古市容疑者は、元琴光喜関から1月に野球賭博の口止め料350万円を脅し取ったとして恐喝容疑で逮捕、起訴された。元琴光喜関から約1億円を脅し取ろうとした恐喝未遂容疑でも組対3課が捜査している。

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2010年8月1日のニュース