金を持っていない自分を「許せない!」と鼓舞する葛西

[ 2010年1月20日 15:57 ]

 これまでに出場した5度の五輪で味わった悔しさを晴らせるか。ノルディックスキー・ジャンプの葛西紀明(土屋ホーム)は「最高の成績が出せる」と自らに言い聞かせて冬の祭典に挑む。

 ワールドカップ(W杯)は日本人最多に並ぶ通算15勝。総合で2度3位になったこともあるが、五輪では苦い思いを抱き続けた。1998年長野五輪は優勝した団体メンバーから外れ、メダルは94年リレハンメル五輪の団体銀だけだ。
 同世代の岡部孝信(雪印)らが手にした金メダルを持っていない自分を「許せない」という。日本チームは団体での表彰台を目標に掲げるが、葛西は個人に焦点を合わせる。「団体はオーストリアにかなわない。金を狙えるとすれば個人しかない」と自分を奮い立たせるように言った。
 昨秋にブログを開設。喜びや不安をつづると、ファンがすぐに反応のコメントを寄せてくれる。五輪のたびに焦りで自分を追い込みすぎてけがや調整失敗に泣いたが、今回は「メンタルトレーニングの一つ」というブログの効果もあって、安定した精神状態で五輪を迎えられそうだ。
 ブログを始めてから、W杯で表彰台を含めて上位に入ることが増えた。「やっと大人になったかな」。冬季五輪の日本勢で最多6度目の代表となった37歳のジャンパーは、熟成を自覚してバンクーバーに乗り込む。

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2010年1月20日のニュース