山本山“無気力相撲”に放駒審判長が苦言

[ 2009年11月19日 06:00 ]

猛虎浪に送り出され、あっさり土俵を割る山本山

 体重258キロの人気力士・山本山に審判部から“イエローカード”が出された。大相撲九州場所4日目は18日、福岡国際センターで行われ、山本山は猛虎浪戦で後ろ向きにされると、土俵際で自分からあきらめたかのように土俵を割り、この場面が問題となった。故意による無気力相撲をチェックする監察委員会は不問としたが、放駒審判長(元大関・魁傑)は再度、同様の行為があった場合には呼び出して注意することを示唆した。大関・琴欧洲に土がつき、全勝は朝青龍、白鵬と平幕・嘉風の3人となった。

【九州場所結果


 問題となったのは幕内前半の山本山対猛虎浪戦での一幕だった。立ち合いから攻め込まれた山本山は、右に回り込んだ猛虎浪に背後を取られた。これで戦意を喪失したのか、山本山はそのまま力なく自ら土俵外に飛び出してしまった。

 山本山は10月中旬に右ひじの骨折で全治3週間の診断を受けるなど万全な状態ではないが、敢闘精神を欠いていたのも明白。無気力相撲などをチェックする監察委員会は特に問題にはしなかったが、放駒審判長は「腕の痛みは理由にならない。あの体で後ろに回れられたら、あきらめたくなる気持ちも分かるが、力を抜くのは良くない」と苦言を呈した。そして「注意すべき相撲ではあったが今回はしない。ただ、同じことをやったら考えないと」と警告を発した。

 傷心の巨漢力士は「自分としては足が出た感じだった。そう(自ら出たと)見られたのなら、今後は気をつけます」と反省の言葉を口にするしかなかった。この日は朝青龍と日馬富士が明らかなダメ押しを見舞うなど、土俵上でのマナーが乱れていた。連日空席の目立つ館内で、より一層の土俵の充実が求められそうだ。

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2009年11月19日のニュース