五輪招致の意向表明に歓迎と「お祭り騒ぎ」と疑問の声も

[ 2009年10月11日 17:20 ]

 広島、長崎の両市長が11日、2020年夏季五輪招致の意向を表明したことについて、長崎市の被爆者たちは「被爆の実情を知ってもらう良い機会だ」と歓迎する一方で「土地やお金に余裕はあるのか」と疑問の声も上げた。

 長崎原爆遺族会顧問の下平作江さん(74)は「世界中から集まった人に原爆資料館を見てもらい、被爆者の声を聞いてほしい」と賛成。ただ「狭い長崎に新たに競技場を作る土地はあるのか」と不安ものぞかせた。
 一方、長崎原爆被災者協議会の山田拓民事務局長(78)は「現在の五輪は実質的には大きなお祭り騒ぎだ。誘致には膨大なお金がかかるが、そんな余裕があるのか。ほかの平和のためのイベントを開くべきではないか」と疑問を投げかけた。
 冷え込む経済の活性化策として期待する声も。長崎市内ですし店を営む木本太市さん(65)は「人が集まれば大なり小なりお金が落ちる。市民も目標に向けて一丸となり、街も明るくなる」と歓迎した。
 長崎県の金子原二郎知事は「世界中に平和を発信する絶好の機会だ」として招致に協力する考えを示すコメントを発表した。

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2009年10月11日のニュース