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【三宅哲夫の旅ヂカラ漫遊記】梓川ラフティング 激しく漕ぎ優雅に揺れる

[ 2016年6月8日 05:30 ]

北アルプスを背に、清流・梓川を下るラフティング。表情は真剣だが気分は爽快(右端が筆者)
Photo By スポニチ

 夏を前に暑さが続く中、“涼”を求めて出掛けた長野県松本市の梓川でラフティングに挑戦した。北アルプス・上高地からの清流をラフト(ゴムボート)に乗って下るレジャースポーツ。急流にもまれ、岩に当たって砕け散る水しぶきを浴びながらのアクティブタイムは、空気もおいしくさわやかな気分。今夏のスポーツはこれで決まりだ!

 「上高地から流れる清流・梓川を下るから、子供からお年寄りまで安心して楽しめるよ」「宿のそばから乗れるのがいいね」。知人の話に好奇心をかき立てられて訪ねた梓川沿いの「梓水(しすい)苑」。ラフティングの基地となっている松本市公共の宿だ。

 午前9時。まずは更衣室でレンタルしたヘルメット、ウエットスーツ、ライフジャケットなどに身を固め、徒歩2~3分の出発地点へ。初体験。きつめのスーツに身が引き締まり、闘志も湧いてくる。

 ガイドは近くの白馬村で白馬アドベンチャークラブを営む荻野進さん(47)。乗り方からオールの漕(こ)ぎ方、川に落ちた時の対処法などを約30分レクチャーしてくれたが、そのほとんどが落水時の注意。「ひょっとすると落ちやすいのかも」と不安が頭をよぎったが、ボートに乗り込み同乗者3人とオールを掲げながら「行くゾ!オーッ」と雄叫びを上げると弱気はどこへやら。いきなりテンションはマックスだ。

 ボートの端に腰を下ろして膨らみの溝につま先を入れるだけで体を支える不安定な姿勢。上半身はできるだけ川側にそらして必死にオールを漕ぐ。慣れてきて力を抜くと「力が入ってない!」と荻野さんの声が飛ぶ。岩場が近づくと「真ん中に寄って!」。まさに“船上の格闘技”だ。

 そんな騒ぎをよそに、ボートは標高2500メートル以上の山々が連なる北アルプスを背に豪快かつ優雅に突き進む。特に急流では前後、左右を上下に揺らして迫力満点。激しい水しぶきも気にならない。この日は水温が低く途中川に飛び込むのはやめたが、ゴール地点まで4・5キロ、約1時間。全身にマイナスイオンも浴びて実に爽快。思わず青空を見上げた。

 帰路は梓水苑まで送迎バスで戻り、松本平の地下水をくみ上げた風呂でリラックス。北アルプスの伏流水がもたらす清冽(せいれつ)な流れと天然の地下水に包まれて、アンチエイジングしたような気分だった。 

 ≪「てるてる坊主の町」はハーブの町≫ラフティングの後は心を癒やしに、ほど近い池田町へ。童謡「てるてる坊主」の作詞者・浅原六朗の出身地で“てるてる坊主の町”といわれるが、ハーブの町でもある。町内には今が見頃のカモミール(和名カミツレ)が10万株以上咲き誇る「カミツレの里」、4ヘクタールの畑がラベンダーで紫色に染まる「夢農場ラベンダー」、約80種類のハーブを販売する道の駅「池田町ハーブセンター」などが点在。カミツレの里のアジア初のバイオホテル「八寿恵荘」では有機野菜などを使用した料理とカミツレエキスを入れた「華密恋の湯」の日帰り入浴をセットにした週末ランチ&入浴プラン(土・日限定、1800円)を実施。夢農場では12日までカモミール無料摘み取り、11日~7月18日はラベンダー祭りを開催。着色料などを使用していないラベンダーソフトがおいしい。問い合わせは同町観光協会=(電)0261(62)9197。 

 ≪食用ぶどう使うワインの味は…≫松本駅から東へ車で約20分。松本市を見下ろす標高700メートルの地で珍しいワイナリーを見つけた。02年(平14)、698の株主有志によって創業された「山辺ワイナリー」=(電)0263(32)3644=写真。周囲は「長野県ぶどう発祥の地」として知られる一大ぶどうの産地とあって、ワインは食用ぶどうで生産され、ナイアガラやデラウェアが人気。隣接レストランの地元産の素材を生かした料理もお薦めだ。

 ▽行かれる方へ JR中央線松本駅からタクシーで約25分。車は長野道松本ICから約10分。ラフティングはガイド、装備レンタル、入浴各料込み大人7000円、子供5000円。梓水苑=(電)0263(78)5550=では足うらバランス測定とウオーキング講座などの健康教室も実施。

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