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【川手優子 酒とニクの日々】“ヤバい焼き鳥”大きさ他店の2倍以上

[ 2015年9月16日 05:30 ]

クエン酸サワーを手につくねカレーチーズを頬張る川手優子
Photo By スポニチ

 秋深き隣は何を食う人ぞ。肉を食らい酒をあおれば日々、幸せ…の四十路&独身・ぽっちゃり系ライター、川手優子が向かったのは「行きつけの店」。東京都練馬の新江古田にある焼き鳥店「ホワイトはうす」はデカ盛りの大統領。イチ押し串はコレだ!

 「ねぇー、ゆーゆ(私のことだ!)ヤバい焼き鳥があるよ」。友人の言葉で通いだしてから6年目。何がヤバいのか?大山鶏を使った焼き鳥の味はピカイチ。大きさは他店の2倍以上。一品料理は軽く3人分!

 だから、最寄り駅から遠いのにもかかわらず、友人、飲み仲間、デート相手と、誰を連れていっても「次もまた、ここで!」となる。

 肉と酒を愛する“ニクノミスト”としてお薦めは多々ある。だがここの最強串が「つくねカレーチーズ」。私もこれでロックオンされた。

 コリコリ触感の軟骨、肉のコクを増す砂肝ペースト、まろやかな甘さの九条ネギを練り込んだ絶品の自家製つくねが、香ばしいにおいを放つ焼きカレーとトロトロチーズをまとって登場する。

 こんなステキな串を出してくれる寡黙なマスターは53歳。経歴がちょっと変わっている。

 前職は地方都市のフィリピンパブオーナー。人間関係に疲れて05年にこの店をオープンした。「3日目に調理人兼店長が来なくて、仕方なく一人で焼き始めたんです」。ところが調理経験はゼロ。チーズサラミさえ作ったことがない。「生焼けだよ」「注文まだ?遅い!」。待っていたのは客からのクレームの嵐。客足は途絶えた。

 「店は開けていたのですが、客は来ないので、空いた時間や閉店後に本やネットを見ながら独学で料理を覚えました」

 なんとかなるだろう…の思いだけで淡々と頑張った結果、客は戻りバイトも雇った。焼き鳥も“自己流”。メニューも驚くほど増えた。

 量感満点のメニューの秘密。「一度にドンと出して、(手間と時間がかかる)焼き物のオーダーを減らしたいんです」と言うが、これは間違いなく不器用なマスターからの客への愛だ。

 店の個性に浸りたいのなら飲み物は「クエン酸サワー」がいい。スティック状の「アミノバイタル」の顆粒(かりゅう)を焼酎&ソーダに溶かして飲む。最初に飲んでハマった私は、これ一本やり。1袋で3杯とるのが「私好み」の濃さ。飲んだ翌朝が楽…ということはない。だって飲み過ぎちゃうんだもん。

 締めの一品はパスタか、おにぎりか、焼きそばか…迷いに迷って、新作の「カレーホットサンド」を選んだ。ガブッといけば、カレーの中から半熟卵がトローリ。さすが、食いしん坊の心を分かってらっしゃる!部屋に戻ってそのまま孤独死してもいい、と思った。
 
 ▽ホワイトはうす 店名の由来は米国の“白い家”からではない。開店当初、加盟していたフランチャイズグループ(今はもうない)から。カウンター、テーブル、小上がりがある。一人飲み、家族連れと“普段使い”できる。人気のつくねのアレンジメニューは9種類。一品ものも種類が豊富。デカ盛りなので頼み過ぎに注意が必要だ。ちなみにサワーやホッピーなどの焼酎もかなり濃いめ。東京都練馬区豊玉北2の11の1、フェリシア新江古田1F。(電)03(3948)4343。営業時間は午後6時~深夜0時。不定休。

 ◆川手 優子(かわて・ゆうこ)東京都出身。年齢、体重非公開の四十路ライター。独身。取材範囲はグルメ、AV、落語など多岐にわたる。週刊誌を中心に活躍中。ライフワークは肉をアテにひとり飲み。酒量は何でもボトル1本以上。
 

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