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【旅ヂカラ漫遊記】北の大地のプラチナブルー、美瑛町「青い池」

[ 2017年9月13日 12:00 ]

神秘的かつ幻想的な美しさの「青い池」若い女性客も見とれるばかり
Photo By スポニチ

 岐阜県関市の「モネの池」や長野県小海・佐久穂町の「白駒の池」などが人気を呼ぶ中、北海道にも話題の池があると聞いて出掛けた。道北・美瑛(びえい)町の「青い池」。その名の通り青い色をした池だが、想像以上の美しさ。周辺の旭川市や十勝地方などを通る北海道ガーデン街道でも8つの庭園が個性的な美を展開。北の大地から大きな感動をもらった。

 「温泉の色みたいだったね」。JR富良野線美瑛駅からバスで約20分。停留所から青い池へ向かう歩道で、すれ違った2人連れの女性からつぶやき声が聞こえた。

 10分も歩いたろうか。その“温泉の色”の主役が見えてきた。季節や天候によって色が変わるというが、この日は曇天のせいかコバルトブルーに北海道名物の牛乳を垂らしたような淡い青色。確かに硫黄泉の乳白色の湯のような色でもあり、カラマツやシラカバなど立ち枯れた木々の姿を鏡のように映し出す。それぞれが奏でるハーモニーは幻想的かつ神秘的で、見物客の誰もがしばらく動かない、いや動けない。

 標高500メートルに位置し、面積約1万2000平方メートル、水深2・5〜5メートルの青い池。掲示板などによると、元々は1988年(昭63)に噴火した十勝岳(標高2077メートル)の火山泥流災害を防止するために美瑛川に造られた堰堤(えんてい)。いわゆる人造池だが、青いのは美瑛川にアルミニウムを含んだ十勝岳の地下水が注ぎ込んでコロイド状という白色系の粒子が生成され、太陽の光を散乱させるため。その水が滞留すると、より青く見えるという。美瑛川が「ブルーリバー」と呼ばれるゆえんだ。

 そのブルーリバーを生み出すのが、池からバスで約5分、2・5キロ先にある「白ひげの滝」。白金(しろがね)温泉の中心街に近いブルーリバー橋から一望できる落差30メートル、幅40メートルの滝で、地下水が溶岩層の割れ目から白ひげのように幾層にもなって美瑛川に流れ落ちるさまは圧巻。白い滝と下を流れる青い川のコントラストがよく映え、青い池に勝るとも劣らない絶景スポットだ。

 白金温泉は鉄分を含んだ茶褐色の温泉。50年(昭25)に湧出した際、当時の町長が「泥の中からプラチナ(白金)を見つけた思い」と述べたことから命名されたというが、70年後の現代は青い池、美瑛川こそプラチナもの。その青さはコバルトでなく“プラチナブルー”といえそうだ。

 《名物おばあちゃん自慢、2500種以上の花々》大雪―十勝を結ぶ全長約250キロのガーデン街道に点在する庭園の美しさも負けていない。まず訪ねたのはJR根室本線帯広駅から車で約35分の「紫竹ガーデン」(帯広市、入園料800円)。名物おばあちゃん・紫竹昭葉さん(90)が「広大な野原を造りたい」と造成した約6万平方メートルの花畑で、2500種以上の花々が季節ごとに咲き誇る。同駅からバスで約20分の「真鍋庭園」(同)は樹木の生産・デザイン・造園・管理の全てを自社で行う、約8万2500平方メートルの植物見本園。ほかで見られない新品種は必見だ。最後はJR石北線桜岡駅から徒歩15分の「上野ファーム」(旭川市、同)。英国の庭造りを学びながら北海道らしさを大切にしており、ガーデナー上野砂由紀さん(42)は8庭園の一つでドラマにもなった「風のガーデン」(富良野市、同)をデザインした。

 《大ブームから40年以上もにぎわう「幸福駅」》大ブームになってから40年以上。路線は廃線になったが「幸福駅」は多くの観光客でにぎわっていた。駅舎の内外部には来場者のメッセージなどが一面に貼られ、土産店では愛国駅から幸福駅行きの切符を販売。ドレスとタキシードを借りてウエディング体験ができる「ハッピーセレモニー」も実施中で、今も幸せ感いっぱいだ。帯広駅からバスで30分。

 《十勝ヒルズ「ギフトBOX」5人に》街道のもう一つの庭園、野菜や果樹などをテーマにした「十勝ヒルズ」(幕別町、入園料800円)の「ドレッシングと豆ジュレのギフトBOX」を5人にプレゼント。はがきに住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記し、〒135―8517、東京都江東区越中島2の1の30、スポーツニッポン新聞社文化社会部「旅ヂカラプレゼント・北海道」係へ。20日の消印まで有効。発送をもって発表に代えます。

 ▽行かれる方へ レンタカーを借りた場合は旭川空港から約40分。問い合わせは美瑛町観光協会=(電)0166(92)4378、旭川観光コンベンション協会=(電)同(23)0090、帯広観光コンベンション協会=(電)0155(22)8600。

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