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【オシムが斬る準々決勝4】ガッカリ…オランダは美しかったはず

[ 2014年7月7日 10:00 ]

<オランダ・コスタリカ>ディアスのタックルに倒れるロッベン(AP)

 W杯ブラジル大会は、ベスト4が出そろった。開催国のブラジル、ドイツ、アルゼンチンの優勝経験国と、準優勝3度のオランダで、いずれも世界のサッカー界をけん引する強国だ。元日本代表監督のイビチャ・オシム氏(73)はどう見たか。故障で戦列を離れたブラジル代表のエース・ネイマールにもエールを送った。

 オランダは本来、美しいサッカーをする国だが、今回は違う。創造的なスタイルも、破壊的な(相手の長所を消す)スタイルもできるのかと思っていたら、コスタリカを相手にしてもエレガントに試合を進めることができず、ガッカリした。

 見る価値があったのはドイツ―フランス戦か。しかし、ドイツの勝因は「走力」で、戦術や技術の新しい発展はなかった。確かに走ることはサッカーにとって必要だが、走るだけなら陸上競技大会に参加した方がいい。走ることでプレーの選択肢を広げ、スピーディーなコンビネーションでチャンスをつくる「美しいサッカー」があまり見られないのは残念だ。

 一部の優勝候補だった国は既にブラジルを後にし、勝ち残っている国々もなかなか調子が上がらない。準決勝に進んだ4カ国は、次こそいい試合を見せてもらいたいものだ。

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