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メッシ依存の“主犯格”イグアイン 目覚めの1発で4強!

[ 2014年7月7日 05:30 ]

先制ゴールを決め、ディマリア(7)と抱き合うイグアイン(AP)

W杯ブラジル大会準々決勝 アルゼンチン1―0ベルギー

(7月5日 ブラジリア)
 メッシ依存の主犯格だったもう1人のエースが、ようやく無得点の呪縛を解いた。背番号10が不発に終わった前回大会で、チーム最多の4得点で引っ張ったイグアインだ。前半8分、ディマリアのパスが相手DFに当たり、こぼれ球にダイレクトで右足を振り抜いた。ゴール左隅を揺らす先制弾で、24年ぶりの4強に導いた。

 「ゴールはいつか生まれると思っていたから、W杯初戦から僕は落ち着いていたよ。重要な瞬間に、それが来たね」

 冷静を装ったコメントを発しながらも、目は赤く充血していた。試合前にはベテランMFマキシ・ロドリゲスに頼み、悪運を断つためにおでこにキスをもらった。「努力は報われる」と言葉を掛けられ、前向きな気持ちを必死に保った末に生まれた一撃。試合前にはアルゼンチン出身の往年の名プレーヤーで、07~13年まで所属したRマドリードのディスティファノ名誉会長が心臓発作で倒れたニュースも届き「心から回復を願う」とメッセージを送った。

 5月に左足首を痛め、本調子に戻らないまま今大会を迎えた。ただゴールは生まれなくとも、ほとんど守備をしないメッシに対し、イグアインは献身的にパスコースを消す動きを見せ、守備にも奔走し続けた。サベジャ監督も「前の試合後に一番走ったのは彼だと言った。きょうは加えて、FWとして重要な得点が生まれた」と高評価した。

 「ゴールはケチャップのようなもの。出ない時は出ないけど、出る時はドバドバ出る」。日本代表の本田圭佑の発言で有名になったフレーズは、他でもないイグアインが、レアル時代に同僚だった元オランダ代表のファンニステルローイから贈られた言葉だと言われる。「美しい夢をかなえるまであと2試合だ」とイグアイン。悲願の頂点へ、ゴール量産態勢は整った。

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