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集中力保てないイタリア、決勝Tへ充実ムードのウルグアイ有利

[ 2014年6月24日 13:00 ]

ウルグアイのエースFWスアレス(AP)

W杯1次リーグD組 イタリア―ウルグアイ

(6月24日 ナタル)
 サッカーワールドカップ(W杯)第13日の24日(日本時間25日)は1次リーグD組のイタリア―ウルグアイが行われる。1次リーグ最終戦はイタリアが勝つか引き分け、ウルグアイは勝利のみが決勝トーナメント進出への条件だ。注目ポイントをサッカージャーナリスト粕谷秀樹氏に聞いた。

 コスタリカに0―1で敗れた後、イタリア代表のチアゴ・モッタはこう言った。「彼らの方がブラジルの気候に慣れているからな。要するにハンデがあったわけさ。しかもキックオフ時間が午後1時で、次のウルグアイ戦も午後1時だ。いったい、どうなっているんだい?」

 ブラジルの高温多湿に辟易としているのか、あるいは予防線を張っているのか。弱気なコメントに終始した。彼の発言を借りるまでもなく、イタリアのコンディションは芳しくない。コスタリカ戦も及第点と評価できるのはブッフォン、ピルロ、バルザーリの3選手だけで、前線は反応が鈍く、遅すぎた。バロテッリはほとんど動いていない。2―1の勝利を収めたグループリーグの初戦も、対戦相手のイングランドが“輪をかけて”鈍重だったからだ。

 一方、ウルグアイは充実してきた。初戦のコスタリカ戦を1―3で落とした反省から、続くイングランド戦は攻守ともに集中力を高く保ち、なおかつスアレスの鮮烈2ゴールによって貴重なポイントを加算している。

 ルガノの左膝が思わしくなく、ゴディンもシーズン中の疲労が回復していないため、センターバックに一抹の不安が残るウルグアイだが、イタリアには責任転嫁した者がいる。現実を受け止めず、敗因をスケジュールに逃げ込んだ弱虫がいる。

 今大会のように、過酷な気象条件のもとでは精神力が勝敗を左右する。イタリアは集中力の維持が難しくなってきた。この勝負、ウルグアイが有利だ。

 ◇粕谷秀樹(かすや・ひでき) 東京都・下北沢生まれ。「日本スポーツ企画出版社」にて週刊サッカーダイジェスト副編集長、月刊(後に月二回刊)ワールドサッカーダイジェスト初代編集長、同社の編集局次長などを経て、2001年に独立。現在は「スカイパーフェクTV!」、「Jスポーツ」などで、欧州チャンピオンズリーグ、プレミアリーグの解説者として活躍中。

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