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ザック監督 本田と“心中覚悟”コスタリカ戦は再生最優先

[ 2014年6月3日 05:30 ]

練習で明るい表情を見せる本田(左)。一方、厳しい表情を浮かべるザッケローニ監督

 米国フロリダ州で合宿中の日本代表は2日午後9時(日本時間3日午前10時)、コスタリカ代表と親善試合を行う。12日(同13日)にW杯ブラジル大会開幕を控える中、アルベルト・ザッケローニ監督(61)は不調のFW本田圭佑(27=ACミラン)を長時間にわたって起用することを明言。4年間攻撃の軸に据えたエース抜きの布陣を考慮に入れていないことを示唆した。指揮官は集大成として臨むW杯でもあくまでも本田にこだわり“心中”する覚悟で挑むつもりだ。

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 本田と心中する!そう言わんばかりの決意だった。本番まで残り2試合となったコスタリカ戦に向けた前日会見。質問は調子の上がっていない本田の起用法に集中した。それでもザッケローニ監督は同じく所属クラブで出場機会が少なかった香川とともに「出場時間が必要。フル出場させるかは分からないが、かなり多くの時間を与えると思う」と強調。エース復活にかける思いを見せた。

 揺るがない指揮官の本田への信頼。この4年間では、本田はケガなどで欠場する試合も少なくなかった。指揮官はそのたびに「圭佑がいなくても他の選手がいる」と強調し続け、結果も出した。ここまで本田抜きの試合は11勝2分け4敗(勝率・733)で出場した場合の17勝9分け7敗(・708)と大きな差はない。それでも指揮官は本田が復帰すると、状態がベストでなくても必ずトップ下で起用。エースを中心にチームをつくった。

 ACミランへの移籍を舞台裏でプッシュしたのも、ザッケローニ監督だった。元ミラン指揮官でガリアーニ副会長とは現在も頻繁に連絡を取る間柄。本田獲得へ向けた調査を受けた際も「テクニックはもちろんだが、フィジカルも日本人にない強さを持っているし、何よりも強いパーソナリティーがある」と太鼓判を押した。そんな中、本田も13年コンフェデ杯のイタリア戦で、伝統国をあと少しで敗北というところまで追い込む活躍を見せた。関係者によると、ミランはザックの言葉に裏付けされた本田のコンフェデ杯のプレーを目の当たりにして最終的に獲得を決めたという。

 指揮官は鹿児島・指宿合宿で“サプライズ選出”した大久保をトップ下でテスト。その大久保が5月27日の壮行試合キプロス戦で1トップでの途中出場ながら存在感を示したことで、本田抜きのオプションについても質問が出た。それでも「本田は出場時間が必要」とかわし、本田へのこだわりを示した。エースの復調なくしてW杯本大会の躍進はあり得ない。この4年間、攻撃の軸に据え続けた指揮官の強い決意の表れだった。コスタリカ戦では、そんな本田が指揮官の信頼に応えて復調の兆しを見せることができるのか。再生に残された時間は多くはない。

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2014年6月3日のニュース