柿谷　原点回帰や！しんどいフィジカルトレも充実「楽しい」

ボール回しをする柿谷

日本代表指宿合宿３日目

　Ｗ杯ブラジル大会に向けて鹿児島県指宿市内で合宿中の日本代表は２３日、２日連続となる２部練習を行った。フィジカル中心の過酷なトレーニングが続く中、ＦＷ柿谷曜一朗（２４）は充実した表情でフルメニューを消化した。厳しい練習に、自らが再起を果たしたＪ２徳島時代を思い返した天才ＦＷ。今季は開幕からリーグ戦で不振が続いたが、原点回帰で輝きを取り戻す。

　強い日差しを浴びながら、走り続けた。午前９時過ぎに桜島が噴火したことで火山灰が指宿に流れ込んだが、気にするそぶりはみじんもない。連日の２部練習はフィジカル強化が中心。身体はきつくても、それ以上に柿谷には充実感があった。「これだけ厳しい練習はいつ以来か？」と問われると、サラリと答えた。

　「徳島以来っすかね。セレッソでも最近はやっていない。きついトレーニングやけど、同じ目標に向かってやっている。毎日の練習が楽しい」

　０９年途中から約２年半にわたって在籍したＪ２徳島。Ｃ大阪から放出され失意のスタートだったが、厳しい指導と過酷なトレーニングを積み、どん底からはい上がってきた。日本代表に上りつめた今も、当時の記憶は鮮明に残っている。

　今季はリーグ戦で思うようにゴールが奪えず、１３試合で１得点と波に乗れなかった。それでも、長く続いた不振を忘れさせるほどの雰囲気が、今の柿谷曜一朗にはある。Ｃ大阪ではサイドでプレーする機会が増えていたとはいえ、ザックジャパンでの定位置はやはり最前線。戦術練習では常に１トップに入り、連係確認に時間を割いた。

　「これだけのメンバーの中での１トップ。いいボールが出てくるんで、いい動き出しさえすれば…と思っている」。原点回帰し頭の中もスッキリさせた。天才ＦＷが、ここから輝きを取り戻す。