365日 あの頃ヒット曲ランキング 10月

【1993年10月】男/印象的なサビで男を一喝!?久宝留理子 本当は…

[ 2011年10月6日 06:00 ]

93年12月、紅白歌合戦に初出場が決まり、記者会見に臨む久宝留理子
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 ★93年10月ランキング★
1 真夜中のダンディー/桑田佳祐
2 All My Loving/福山雅治
3 RUN/長渕剛
4 江ノ島/Z団
5 go for it!/ドリームズ・カム・トゥルー
6 愛はふしぎさ/米米CLUB
7 一途な恋/TMN
8 男/久宝留理子
9 Get Along Together/山根康広
10 Memories/DEEN
注目風に吹かれて/森高千里
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【男/久宝留理子】

 総額3億円でトップバッターを務めた。93年12月31日の第44回紅白歌合戦。紅組で最初に歌ったのは、デビュー4年目の久宝留理子。宝石でおなじみの宝石販売の三貴の主力商品「カメリア・ダイヤモンド」のCMソングとなった「男」のヒットで初出場を飾った、24歳の女性歌手は誕生石のダイヤモンドをちりばめたティアラに、ネックレス、指環など高額のアクセサリーを身につけ登場した。

 「紅白では目立ちたい」と話していた久宝だが、その気持ちを汲んだスタッフが三貴に相談し、申し出を快諾。宝石をレンタルで提供することになった。万が一のことを考えて、総額の2%にあたる600万円の保険をかけた。

 衣装合戦が紅白の見どころの一つになっていた美川憲一と小林幸子のそれぞれ8億円、10億円といわれる衣装代にはかなわなかったが、初出場では前代未聞の豪華さ。歌詞の威勢のよさに加えて、衣装の豪華さは久宝の名前を広く知らしめることになった。

 「Ai ai ai 愛してると…」のサビの部分が印象的で93年秋にヒットした9枚目のシングル。実はライブで歌う曲として作ったもので、シングルとしてリリースする予定はなかった。ヒットした曲がアップテンポで、男に向かって啖呵を切っている歌詞のであることから、ノリのいい曲を歌うと思われがちだが、バラードなどスローテンポの曲の方が味の出る歌手でもあった。久宝自身の中で「男」は「自分の作品の中で突然変異した曲」と位置付けていた。

 ひ弱な男性に女性からの喝、と思われがちだが「好きだからこそじれったいし、歯がゆいしという愛情の裏返しを歌いたかった。男勝りの女性の気持ちを歌ったものではない」と曲のテーマは意外なものだった。ただ、イメージというのは恐ろしいもので、「男」のヒットで要求されるものは、強気な女の曲ばかり、という時期がしばらく続いた。

 ただ、多くの人に知ってもらったという点ではヒットは歓迎すべきものだった。翌94年も「早くしてよ」がヒット。2年連続で紅白にも出演。大きなホールを使ってのコンサートツアーが出来るようになったのも、ヒットの賜物だった。

 01年にロックバンド「SOPHIA」のキーボード、都啓一と結婚。都ががんにおかされると、闘病生活を支え、病気を夫婦で克服した。

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