365日 あの頃ヒット曲ランキング 10月

【1972年10月】男の子女の子/中性的な戦略大成功!“美少年”郷ひろみ デビュー

[ 2011年10月18日 06:00 ]

★72年10月ランキング★
1 虹をわたって/天地真理
2 京のにわか雨/小柳ルミ子
3 女のみち/宮史郎とぴんからトリオ
4 雨/三善英史
5 せんせい/森昌子
6 狂わせたいの/山本リンダ
7 哀愁のページ/南沙織
8 男の子女の子/郷ひろみ
9 夜汽車/欧陽菲菲
10 旅の宿/よしだたくろう
注目耳をすましてごらん/本田路津子
※ランキングは当時のレコード売り上げ、有線放送、ラジオ、テレビのベストテン番組などの順位を参考に、話題性を加味してスポニチアネックスが独自に決定。

【男の子女の子/郷ひろみ】

 男でも女でもない、とても中性的な匂いのするアイドル歌手がデビューした。最初のシングルはレコード売り上げ20万枚にも満たない程度だったが、「きみたち女の子 ぼくたち男の子」の歌詞とともに、芸名の元にもなったを“GO GO GO GO”と連呼する曲は、当時かなりのインパクトがあった。

 1955年10月18日に福岡で生まれた“美少年”、弱冠17歳の郷ひろみのデビュー曲「男の子女の子」は発売2カ月を過ぎた10月にようやく浸透。ヒットチャートの上位をうかがうようになった。

 芸能界スタートは挫折と脇役から始まった。71年に映画「潮騒」のオーディションに不合格だったものの、ジャニーズ事務所にスカウトされ、フォーリーブスのバックに立ちステージへ。その美少年ぶりはフォーリーブスのファンの間でも話題になり、本名は原武裕美だが、“レッツゴーヒロミ”とかけ声が飛んだことから、芸名が決まった。

 73年1月から始まったNHK大河ドラマ「新・平家物語」に早くも出演。平清盛の弟役として目立つと、8月に歌手デビューの運びとなった。

 酒井政利プロデューサーは郷の男っぽくない中性的な魅力を生かすために、当初から「男の子女の子」というタイトルを決めて、作詞の岩谷時子に依頼。岩谷も難しい注文に完璧に応え、この戦略は当たり、当時「新御三家」と呼ばれた西城秀樹、野口五郎との差別化に成功。新しいタイプのアイドルとして、女子中高生から大人の女性まで幅広く支持された。

 その後、郷の音楽を語る上で欠かすことのできない存在となった筒美京平の曲も複雑なアップダウンがありながらも、ポップスとして最高の出来栄えを見せており、郷の歌手生活の滑り出しを順調なものにした。

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