「遅咲き」女流落語家の露の紫が奮闘中 来年4月に記念独演会「また会いたいなと思われる落語家を」

[ 2023年11月15日 08:00 ]

15周年記念独演会に向けて奮闘中の露の紫
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 【古野公喜のおもろい噺家みーつけた!】来年4月7日の15周年記念独演会(近鉄アート館)で「集大成のネタを披露します」と意気込むのが女流落語家の露の紫(49)だ。

 異色の遅咲き芸人。就職活動で神戸ポートピアホテルの内定を得たものの、卒業間近の95年1月に阪神淡路大震災が発生。当面は自宅待機で入社は秋になってから。「話す職業」への興味で、就職後にアナウンサー学校に通い、ホテルを退職して事務所に所属。「イベント司会、体当たりリポーターをやった」とテレビやラジオに出演。R―1、M―1にも出場し、1回戦敗退だった。

 「自分は何でも勢いだけでやってきた」と悩んでいた時、先輩から「ミヤコ蝶々さんは落語を聞きながら寝てた。落語には話術のすべてが詰まっている」と聞き「天満天神繁昌亭落語家入門講座」を受講した。08年9月、NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」をきっかけに福井で開催された女性落語大会「ちりとてちん杯 ふくい女性落語大会」に出場して初代女王に。同10月に露の都(67)に入門した。「あの時、人前で初めてフルに落語をしました。行き先をようやく見つけました」と噺(はなし)家への道を進み始めた。

 「NHK新人落語大賞」には4度出場して13年の2位が最高。早くから高い評価を受けた。男社会といわれる落語界で、師匠から「いやらしさを出すな」など入門当初は指導されたが、最近は「女の人の見せ方、演じ方を話せるようになった」と一人前として認められつつある。28日には「あわよか連大集合!!」(天満天神繁昌亭)で「看板の一」「転宅」の2席。「また会いたいなと思われる落語家を目指します」と鼻息は荒い。 (演芸担当)

 ◇露の紫(つゆのむらさき)1974年(昭49)4月6日生まれ、愛媛県今治市出身の49歳。フリーアナを経て08年10月、露の都に入門。繁昌亭落語入門講座からの第1号プロ落語家。趣味は御朱印帳、お酒。

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