侍ジャパンWBC準決勝の相手メキシコ 亀田和毅がボクシングで熟知する“圧力”語る

[ 2023年3月19日 04:50 ]

Zoomで取材に応じ、侍ジャパンへエールを送った亀田和毅
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 WBC準決勝で侍ジャパンの相手がメキシコに決まったことを受け、ボクシングの元世界2階級王者で、WBA世界スーパーバンタム級2位の亀田和毅(31=TMK)が18日、本紙の取材に応じ「(スペイン語でメキシコを意味する)メヒコ、メヒコの大合唱が脅威だ」と指摘した。15歳で単身メキシコへ渡った“侍”は日本の勝利を信じ「勝ち進んで世界一をつかみ取ってほしい」と力強く拳を握った。

 同国を知り尽くす亀田が警戒するのはメキシコファンの熱烈な「大メヒコ」コールだ。現地ではメキシコ人ボクサーに地鳴りのような声援が送られるとし「会場が揺れるぐらい半端ない。他の国の選手との対戦では感じたことのないぐらい熱烈だ」と舌を巻く。

 侍ジャパン決戦の地、米国にはメキシコ系の住民が3700万人以上いて、約150万人とされる日系人の25倍近い。亀田はメキシコのスターボクサー“カネロ”ことサウル・アルバレス(32)の米国での試合を引き合いに「会場はメヒコ、メヒコの大合唱」と指摘した。

 ファンがスポーツ観戦の際はビールやコーラを飲みながら、タコスやナチョスをつまむのが定番。とにかく陽気でその場を楽しんで大声援を送り続けるのが特徴というだけに、日本にとっては試合が決まるまで、アウェーとも言える状況で大きなプレッシャーにさらされることになる。

 「小さい頃は野球カードを集めていた」と亀田。メキシコ人選手に友人もいて、日本ハムや阪神に在籍したルイス・メンドーサ氏(39)、昨季までオリックスの投手でメキシコ代表として日本と戦うセサル・バルガス(31)の名前を挙げた。16日には東京ドームで日本対イタリアの準々決勝を生観戦。大谷翔平(28)のセーフティーバントが印象的とし「相手がホームランを警戒する中、守備の動きを読んで意表を突いた。心理的な駆け引きがあるという意味ではボクシングと同じでめっちゃ勉強になった」とした。

 亀田は中学卒業後メキシコで武者修行し、同国でプロデビュー。積み上げた戦績は43戦40勝(22KO)3敗。世界戦8試合のうち6試合を米国とフィリピンのリングで拳を交えてきた。「海外は完全アウェーだが、自分が納得する戦い方をするだけと考えている」。逆境に立たされても静かに己自身と向き合う“武士道精神”。これこそが侍ジャパンにとっても勝利を引き寄せる鍵になりそうだ。

 21日(日本時間)の準決勝は自宅でテレビ観戦する予定。メキシコ人の妻と長男(2)は帰省中で「奥さんは母国を応援すると思います」と笑いつつ「俺は侍ジャパンが世界と戦う姿に凄く力をもらっている。このままの勢いで優勝できると信じてます」と世界一を願った。

 ≪元AKB入山杏奈VIVA!現地「盛り上がっています」≫元AKB48で女優の入山杏奈(26)がメキシコから現地の盛り上がっている様子を自身のツイッターに投稿した。現在、同国を拠点に活動しており「わー!日本VSメキシコ!!」と国旗の絵文字で準決勝を表現。「メキシコでは初のベスト4に野球ファンのみんなが“iVIVA MEXICO!”と盛り上がっています。見逃せない…緊張する…」とつづった。

 ≪TBS初田アナ「精いっぱい実況します」≫運命の一戦で実況を担当するTBSの初田啓介アナウンサー(52、写真)は「世界一まであと2つ。夢に向かって突き進む選手たちの姿を、精いっぱい実況します」と意気込んだ。日本が優勝した第2回大会では決勝適時打を放ったイチローへのインタビューを担当。「重圧と闘いながら目標を成し遂げた選手の表情と言葉は輝いていました」と当時を回想。「(その時に)小学生だった選手たちが、侍ジャパンの主力として14年ぶりの世界一に挑んでいます」と活躍に期待を込めた。

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2023年3月19日のニュース