矢沢永吉の生きざまに魅了され人生が変わった“永ちゃんファン”それぞれの「MY WAY」

[ 2022年8月28日 05:30 ]

熱唱する矢沢永吉(C)HIRO KIMURA
Photo By 提供写真

 矢沢永吉(72)のデビュー50周年記念公演は“永ちゃんファン”にとっても特別な日だ。ロック界でも屈指の熱狂ぶりで知られるが、他のアーティストのファンとの決定的な違いがある。それは矢沢のファンは“矢沢になろうとする”ことだ。素肌に白スーツ&リーゼント姿の筋金入りはもちろんのこと、彼の生きざまを人生の針路とする人が多い。永ちゃんのどこに魅了され、人生が大きく変わったのか。国立競技場を訪れた人たちに2日間にわたって話を聞いていく――。

 【轟清司さん(65)「永命会 関東・甲信越地区」】情熱と思いを持ったファンたちが集結した。

 長野県から来た轟清司さん(65)ら、30年以上続くグループ「永命会 関東・甲信越地区」は、ライブの直前に亡くなった仲間の遺影を持って“参戦”。全身がんのため今月9日に59歳でこの世を去り、メンバーたちからは「まこ姉」と呼ばれ愛された女性。轟さんは「訃報を受けたときは、みんなで散々泣きました。“国立に行きたい”という願いは頓挫しましたが、魂は生きていると信じています」と目頭を熱くした。

 大腸がんから始まり、肝臓、膵臓(すいぞう)、肺、そして最後は頭に転移。進行速度と闘いながら、国立でのライブを生きる気力とし2日間の席も確保。亡くなる直前まで、ライブの参加衣装を考えていたという。彼女の席はキャンセルせず「永ちゃんに会わせるため」遺影を家族から借りた。「彼女の好きな曲は『MARIA』。その曲が流れたら、彼女の願いも成就すると思います」と語った。

 【井手之上渉さん(65)真由美さん(55)】“YAZAWA婚”した夫婦も、多く訪れた。愛知県から訪れた井手之上渉さん(65)真由美さん(55)カップルは、10年ほど前に開催された矢沢のコンサートで出会った。きっかけは会場のフードコートで渉さんが真由美さんをナンパしたことで、そこから交際に発展。「結婚式では『I LOVE YOU,OK』を流したね」と2人で顔を赤らめた。

 渉さんは40年来の大ファンで、人生の目標は「少しでも永ちゃんに近づくこと」。髪形も矢沢を意識し、この日のライブのために1週間前に整えたばかりだという。「永ちゃんの生き方はもちろん、力強いパフォーマンスで元気をもらっている。いつまでも憧れです」と力を込めた。

 【岩城敏行さん(50)千穂さん(20)】親子ファンもいた。栃木県から来た岩城敏行さん(50)千穂さん(20)父娘は日々会話も弾むという。千穂さんは2年ほど前に敏行さんの影響で好きになり、今回が2度目のライブ。「女性はチャイナ服でライブに行くってお父さんから聞きました!」とし、濃紫のチャイナドレスでバッチリと決めていた。

 敏行さんは若い頃、いわゆる“走り屋”で「車の中で『黒く塗りつぶせ』を聴きながら、アクセル全開で峠走ってました」と振り返る。そんなお父さんに、千穂さんは「永ちゃんみたいに格好よくて痩せてくれたら、これからも一緒に遊んであげてもいいよ」とニヤリ。娘からのお願いに、父もタジタジの様子だった。

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