稲葉陽八段 初の王将リーグ入りへ王手 2次リーグで斎藤八段下し決勝進出、次戦は藤井2冠か石田五段と

[ 2021年7月19日 18:55 ]

第71期ALSOK杯王将戦2次予選で斎藤慎太郎八段に勝利した稲葉陽八段※記者撮影
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 第71期ALSOK杯王将戦7番勝負(本社主催)の挑戦者を決める2次予選準決勝が19日、大阪・関西将棋会館であり、稲葉陽八段(32)が斎藤慎太郎八段(28)に88手で勝利した。稲葉は次戦で初の挑戦者決定リーグ入りを懸け、この日誕生日を迎えた藤井聡太2冠(19)=王位、棋聖=と石田直裕五段(32)の勝者と対戦する。

 戦型は先手斎藤の矢倉模様のスタートだったが、後手の稲葉は右王を選んだ。角桂交換で駒得すると、金銀4枚の堅陣を敷いた斎藤王を2枚角で直射。自陣に金駒を投入したことで戦力不足に陥った斎藤は、稲葉王と逆サイドにと金を作って確実な攻めを選択した。

 駒台から金を自陣へ打って一度守りを固めた稲葉は78手目、一転して▲5七角成と角斬りへ踏み込む。さらに銀桂両獲りの飛車打ちから、斎藤を投了へと追い込んだ。

 「珍しい将棋になった。斎藤八段が積極的にこられて、でも進んでみるとこちらが指せた」。前期からの残留4人と、2次リーグを勝ち上がった3人で構成する初の挑戦者決定リーグ入りまであと1勝。2次予選では1勝が最高で、決勝進出も自己記録更新だった。

 藤井か石田か次戦の相手は未定だが、藤井に決まれば6月、名人戦B級1組順位戦での勝利に続く藤井連破がかかる。

 「入るだけでも一つの名誉。リーグ入りが目標だったので」。1月に一般女性と結婚。NHK・Eテレで放映されるNHK杯や藤井戦で勝利すると、夫人の実家からの反響も大きいという。「応援してもらえるのでしっかり準備して臨みたい」と大一番への意気込みを語った。

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2021年7月19日のニュース