小山田圭吾 いじめ告白掲載出版元が謝罪「被害者の方を傷つけるだけでなく差別を助長する不適切なもの」

[ 2021年7月19日 20:32 ]

小山田圭吾
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 過去に「いじめ告白」をした東京五輪開会式の楽曲を担当するミュージシャン「コーネリアス」こと小山田圭吾(52)が19日、ツイッターを更新し、楽曲担当を辞任すると発表した。記事を掲載した95年8月発行の「クイック・ジャパン」の出版元である太田出版は同日、岡聡社長名で謝罪文を掲載した。

 小山田は94年1月発行の音楽誌「ロッキング・オン・ジャパン」(ロッキング・オン)と95年8月発行の「クイック・ジャパン」(太田出版)で、同級生を箱に閉じ込めたり、障がいのある生徒をからかったりしたことを語っていた。「ロッキング・オン・ジャパン」(ロッキング・オン)の公式サイトは18日に山崎洋一郎編集長名で謝罪する文章を掲載している。

 太田出版の公式サイトに掲載された謝罪文は以下の通り。

1995年刊『Quick Japan 第3号』は「いじめ紀行」というシリーズの第一弾として小山田圭吾氏へのインタビューをもとにした記事を掲載しました。この記事が、表現方法、記事の影響についての思慮そして配慮が足らないままに世に出たことにより被害者の方をはじめ多くの方を傷つけたことを深くお詫びします。

 「いじめ紀行」は、取材者自身がいじめられた体験があることから、いじめられた側だけでなくいじめた側からも話をきくという趣旨で「いじめた側といじめられた側の対談」として当初発案されたものでした。この第一回で小山田圭吾氏は自身の体験として障がいを持つ方へのいじめを告白しています。

 現在、この小山田圭吾氏の一連のいじめ体験についての告白が大きな批判を受けています。当時のスタッフに事実・経緯確認を行い、記事を再検討した結果、この記事が被害者の方を傷つけるだけでなく差別を助長する不適切なものであることは間違いないと判断しました。この検討は出版後26年を経てのものであり、この間、2012年にはいくつかの号が復刊される機会があり、この第3号も100部の復刊を行っています。最初の出版段階での判断のみならず、その後再検討のないまま時が過ぎたことも、出版社としてその姿勢が問われるものであると考えます。

 今回の反省は、継続的に今後の出版活動を顧みる機会とするべきと考えます。『Quick Japan』のみならず、弊社の出版活動全体を改めて再検討し、その都度振り返ることにより同じことを繰り返すことがないように努力してまいります。

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