櫻坂46 3列目メンバーによる「BACKS LIVE!!」で見えた底力

[ 2021年6月19日 19:29 ]

初めて観客の前でライブを行った櫻坂46(C)上山陽介
Photo By 提供写真

 櫻坂46が16~18日の3日間、千葉・舞浜アンフィシアターで昨年10月に「欅坂46」から改名後初の有観客ライブ「BACKS LIVE!!」を行った。

 出演メンバーは2ndシングル「BAN」のフォーメーション3列目メンバー。コンセプトは「私たちで、櫻坂46を、強くする」。欅坂46時代はメンバー全員でパフォーマンスを行う「全員選抜」だったが、改名を機に新しいフォーメーション制度に変更。1、2列目に入れず、苦い思いを味わったメンバーたちの決意が感じられるライブとなった。

 櫻坂46のフォーメーションは、楽曲によって3人のセンターが入れ替わる。加えて全楽曲の1、2列目に参加する5人、計8人の選抜メンバーのことを「櫻エイト」と呼ぶ。残りのメンバーは、イメージに合った各楽曲の3列目に配置される。この制度の残酷なところは「櫻エイト」以外のメンバーだけのカップリング曲がないこと。どれだけ努力を重ねても、3列目であることが確定。スポットライトが当たりにくく、アイドルとしては苦しい期間となる。

 今回の「BACKS LIVE!!」の“バックス”は、ラグビーのポジションが由来。フォワード8人が前線でチャンスを切り開き、後方からバックスがトライを狙う。グループ全体の底上げのために、3列目のメンバーには“櫻坂のポイントゲッター”になってほしい。そんな運営側の願いが込められている。

 だからこそ3列目メンバーは、このライブに懸けていた。1stシングル「Nobody’s fault」を含め全13曲を披露。センターは立候補制で、最終日に「Nobody’s…」でセンターを務めた2期生の井上梨名(20)は「1stで表題曲に選ばれなかった悔しさがあったので、リベンジの気持ちで立候補しました」と吐露。副キャプテンの松田里奈(21)は「このライブは挑戦しないと意味がない」と語り、自身の明るいイメージとは違う、セクシーな楽曲「半信半疑」でセンターに挑戦している。

 自らの変化を追い求める姿勢はもちろん、先輩後輩間の仲を深めることにもつながった。新2期生の増本綺良(19)は3年前の坂道合同オーディションのSHOWROOM審査で「感情が無いので泣きません」と言っていたにも関わらず、MCの最中に1期生で元副キャプテンの守屋茜(23)とダンスリーダーの齋藤冬優花(23)への手紙を読みながら号泣。「安心できる場所を作ってくれてありがとうございます」と語る姿は印象的だった。

 1メートル70超えの身長を活かして、モデル活動も行う1期生の土生瑞穂(23)は「ライブをやっておしまいではなく、これからがスタート。今日は幸せにして帰します」と宣言。その言葉通り、ダンスパフォーマンス、表情の移り変わり、歌唱力。1人ひとりの個性が存分に発揮されたライブだった。

 根が強いからこそ、櫻は満開の花を咲かせる。7月には日向坂46と合同で「W―KEYAKI FES 2021」を実施。「櫻エイト」を含めた全メンバーでのパフォーマンスが、今から楽しみでならない。

続きを表示

2021年6月19日のニュース