サンド伊達、被災地に笑いを届ける理由「その人の一番いい顔を引き出せる、すごく重要なものだと思うから」

[ 2021年3月24日 22:54 ]

「サンドウィッチマン」の伊達みきお(左)と富澤たけし
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 お笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきお(46)と富澤たけし(46)が24日放送のNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」(水曜後7・30)に出演。東日本大震災の記憶と、復興支援における「笑い」の力について語る場面があった。

 2人は、11年3月11日に震度6弱を観測した宮城県気仙沼市でのロケ中に被災。伊達は当時のことを「漁船が洗濯機の中みたいに流れて行って。その音とか、重油のにおいとかを覚えてますね。ラジオを一晩中聞いていたんですけど『町がなくなった』とか聞こえてきて、震えていましたね…」と振り返る。

 富澤は「自分たちも津波に飲み込まれていた可能性があるわけですから。『山登りましょう』っていう言葉があったら、今いるのであって。1個でも選択肢を間違えてたらわからなかった。何かに救われたから、だから何かをしないといけないのかなって」と思ったという。2人はすぐさま「東北魂義援金」を立ち上げる。震災を風化させないためにも、各地で支援を募り、総額5億円を超える思いを東北に届けた。

 被災地へも足繁く通うコンビ。伊達は「どうやったら寄り添えるのかなって、ずっと思ってますけどね」といい、富澤は「やっぱり、震災の話って重くなっちゃうから。不謹慎かもしれないけど、和めるシーンがあればいいなと思ってボケます。きっと伊達がツッコんでくれるだろうと、信じてふざけます」と力を込める。

 3月上旬に行われた宮城県・東松島でのチャリティーライブへと招かれた。そこには、宮城県出身の声優・山寺宏一(59)も実行委員として参加していた。「実行委員長が俺の後輩なんだけど、震災で娘をなくして事務所も流されて。やっと住宅には入れたんだけど、そういう人ばっかりなの。もうすぐ3.11で、みんないろんな思いがあるんです。そんななか、来てくれて本当にありがとうございます」と頭を下げた。

 伊達は「芸人ですから。誰かを笑顔にする、元気にするのがなりわいですからね。その人の一番いい顔を引き出せる、すごく重要なものだと思います。それしかできないですからね」と、笑いの持つ力を信じていた。

 漫才1本の予定が、2人はその前にショートコントを披露。毎回、オチの後には「はい、東松島!」と連呼し会場を盛り上げた。大きな拍手を受けて舞台を降りたころには、持ち時間である15分の倍近い時間が過ぎていた。富澤が「今、先輩方が巻いて歌ってますよ。アップテンポで」と言うと、伊達は「また“土下座”しないといけない!」と笑っていた。

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2021年3月24日のニュース