「ポケモン」サトシ声優・松本梨香、コロナ不正受給疑惑「違います」

[ 2020年12月11日 11:30 ]

スポニチ本紙の取材に応じ、不正受給疑惑について反論した松本梨香
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 人気アニメ「ポケットモンスター」の主人公サトシ役の声優、松本梨香(52)がコロナ禍で東京都が行うアーティスト支援事業に伴う助成金10万円を不正受給した疑いがあると、11日発売の写真誌フライデーが報じている。

 同誌によると、不正受給の疑いがあるのは、都に動画作品の企画を送って採用されると、携わったアーティストに1人10万円が給付される都の事業「アートにエールを!」。複数人でも参加可能で最大10人計100万円がもらえる。松本は朗読劇を企画して6人で参加。このうち「アイデアを出したことは一切ない」と主張する元スタッフの受給分が松本の事務所の口座に振り込まれていたという。

 本紙取材に、松本は「不正受給はしていない」と主張。10万円は「携わった対価として(元スタッフに)払いたかったが連絡が取れず預かっていた」と説明。あくまで支払う方向だったと強調した。

 元スタッフの企画への関与には「自分から動画撮影をしたいと参加を申し出た。動画撮影の方法などアイデアも出していたし、他のスタッフや脚本家、イラストレーターの参加のとりまとめも担当した」としており、見解が対立している。

 フライデーによると、企画書は元スタッフが6月2日に提出。元スタッフは同14日に松本の元を離れたとしているが、松本側はその認識はなかったとしている。「7月の動画撮影当日になって姿を現さなかったため、現場は混乱した。別のスタッフが急きょ撮影を担当した」という。その頃から、元スタッフとは連絡がほとんど取れなくなったようだ。

 元スタッフは9月に都から10万円の給付金の「振り込み完了」メールが送られてきたことで事態を把握。その際、都に動画に関わっていない旨を伝えたという。

 都は「元スタッフの訴えなどを受けて事実確認をし、先方(松本側)に返還請求をした」と説明しているが、松本は「都の連絡はなかった」と否定している。

 松本はフライデーの取材を今月3日に受けて同5日に返金。「都にどうすればいいか相談し、お金は都に返金して対応をゆだねた」と説明した。給付金の振り込み先は参加者個人の口座とする決まりだが、事務所口座としたことには「連絡が取れなかったため。都の許可を得た」としている。

 《掲載証言を否定》元スタッフの後を引き継いで企画に携わった男性が11日、同誌に掲載された「松本は、動画製作に元スタッフは携わっていないと分かっていた」とする証言を否定した。この男性は元スタッフが撮影当日になって現れなかったため、急きょ撮影を担当したという。

 ▼亀井正貴弁護士 虚偽の申請をして入金を受けた場合は、返金の有無にかかわらず詐欺が既遂となる。詐欺行為にあたるのは(1)給付要件が「最後まで企画に参加」とあるにもかかわらず、実際には最後まで参加していなかった場合(2)元スタッフに対しての給付金を、本人の承諾を得ずに会社の口座に入金させた時――の2点が挙げられる。返金は被害弁済したということで情状酌量部分にはなるが、詐欺の成立には関係ない。
 今回は被害者である都が告訴すれば警察が動く。ただ一般的には10万円程度で返金も受けているのであれば、告訴するまでには至らない。

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2020年12月11日のニュース