「麒麟がくる」初回19・1%の好発進にNHK安堵 昨年大河ワースト「2桁届けば」慎重論も年配層回帰

[ 2020年1月20日 18:32 ]

東京・渋谷区のNHK社屋
Photo By スポニチ

 俳優の長谷川博己(42)が主演を務めるNHK大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜後8・00)が19日に拡大版(75分)でスタートし、初回の平均視聴率は19・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と高視聴率をマークしたことが20日、分かった。大河ドラマの初回19%超えは2016年「真田丸」19・9%以来4年ぶりとなる好発進。昨年「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」は期間平均8・2%と大河ドラマ歴代ワーストを更新しただけに、大幅回復の好結果に局内には“ひと安心”の安堵(ど)のムードが広がった。

 大河ドラマ59作目。第29作「太平記」を手掛けた名手・池端俊策氏(74)のオリジナル脚本で、智将・明智光秀を大河初の主役に据え、その謎めいた半生にスポットを照らす。物語は1540年代、まだ多くの英傑たちが「英傑以前」だった時代から始まり、それぞれの誕生を丹念に描く。

 「いだてん」全47話の期間平均(全話平均)は8・2%と大河ドラマ史上初の1桁。12年「平清盛」と15年「花燃ゆ」の期間平均12・0%を大幅3・8ポイント下回り、大河ドラマ歴代ワーストを更新した。コカイン使用によるピエール瀧(52)の逮捕・降板など不祥事も重なり“大河ブランド”は大きく傷ついた。

 しかも「麒麟がくる」にレギュラー出演予定だった沢尻エリカ被告(33)が昨年11月16日に麻薬取締法違反罪で逮捕。序盤の撮り直しを余儀なくされ、当初の1月5日から初回放送日が2週間延期となるアクシデント。「いだてん」の低迷に引きずられる懸念から、NHK局内には一部「2桁に届けばいい」という慎重な予想もあった。

 マスコミの予想も割れていた。<「麒麟がくる」早くも大コケ予想><早くも「いだてん」を超えた 初回放送は視聴率20%超の期待>などの見出しが躍った。それでも、いざフタを開けてみれば、3年ぶりの人気の“戦国大河”とあり、20%の大台に迫った。

 昨年、メインターゲットを奪われた最大のライバル、テレビ朝日「ポツンと一軒家」(日曜後7・58)16・1%も上回った。「いだてん」の初回(1月6日)と最終回(12月15日)を比べると、F4層(女性65歳以上)とM4層(男性65歳以上)は実に半減。年配層にソッポを向かれた。 

 しかし「麒麟がくる」初回の世代別視聴率を見ると、F3層(女性50~64歳)、M3層(男性50~64歳)、M4層(男性65歳以上)で「ポツンと一軒家」超え。王道の作品に、従来の大河ファンが戻ってきた。特にM3層、M4層の回帰が大きい。

 第2話がオンエアされる26日は「ポツンと一軒家」の放送がなく「麒麟がくる」に追い風が吹きそうだ。

 第2話は「道三の罠」。織田信秀(高橋克典)と斉藤道三(本木雅弘)の戦い「加納口の戦い」(1547年、天文16年)が描かれる。初回冒頭、野盗から領地を守る戦いで光秀が躍動したようなスペクタクルな映像が期待される。

続きを表示

2020年1月20日のニュース