「甲子園のアイドル」愛甲猛氏支えた妻 結婚生活30年 初めての手紙に涙

[ 2017年7月17日 11:00 ]

結婚生活30週年を迎えた愛甲氏と妻・佐和子さん(C)TBS
Photo By 提供写真

 1980年に横浜高校の夏初優勝を導き「甲子園のアイドル」として絶大な人気を博した愛甲猛氏(54)。波乱万丈続きのプロ生活、数々のスキャンダルに見舞われた引退生活を陰ながら支えたのは妻・佐和子さんだった。17日に放送されるTBS「壮絶人生ドキュメント プロ野球選手の妻たち」(月曜後7・00)で夫妻の30年の歩みと、愛甲氏が妻にあてた初めての手紙の内容が明らかになる。

 高校3年時、夏の甲子園大会で投打にわたる活躍を見せ、そのやんちゃっぽいルックスも相まってアイドル的な人気を誇った愛甲氏は、鳴り物入りでロッテに入団。プロ3年目に佐和子さんと出会い、年俸1000万円を手にしたプロ6年目のオフに結婚した。

 しかし、その結婚生活は佐和子さんの想像をはるかに超える苦難の連続。愛甲氏は主力として535試合連続フルイニング出場のパリーグ記録を打ち立てるなど順調にキャリアを積んでいたが、30歳を越え、成績が下降。この状況を打開しようと手を出したのが「筋肉増強剤」だった。今でこそ球界では禁止薬物に指定されている薬だが、当時は禁止規定などは存在せず、中日への移籍後も使用を継続した。

 38歳での現役引退から1カ月後、胸に突然の傷みが走った。診断は「閉塞性動脈硬化症」。6年間服用し続けた筋肉増強剤が原因だった。2カ月の入院で、九死に一生を得た愛甲氏は、筋肉増強剤の危険性を伝えたいと取材を受けたところ、掲載されたのは「球界のクスリ漬け」という記事。愛甲氏は野球界から距離を置かれるようになってしまった。

 野球関係はおろか、何の仕事のオファーも来なくなり、時間を持て余す日々。定職のない夫に代わり、佐知子さんが週5日のパートで家計を支えた。そんな中、愛甲氏は再起をかけ、野球コラムの仕事をスタート。すると徐々に野球関連の仕事のオファーが舞いこむようになり、現在はバッティングセンターの片隅を借りて野球教室を行う。「甲子園で活躍してくれることを願って、自分がそれを解説するのが一番の夢ですね」。ようやく見つけた第二の人生だった。

 2人で外出する際は、腕を組んで歩く愛甲氏と佐知子さん。かつて佐知子さんは女性ファンの目を気にして、離れて歩いていたが、今は誰にはばかることもない。そんなささやかなことに何よりの幸せを感じている。波乱続きだった結婚生活も、今年で30周年。結婚記念日には長男・大樹さん、長女・麗華さんがお祝いに駆け付けた。愛甲氏も30年の感謝をしたためた初めての手紙を贈る。そこにつづられていた告白に妻は涙する――。

続きを表示

この記事のフォト

2017年7月17日のニュース