水崎綾女、カンヌから世界へ 遅咲き28歳「実感湧かない」 

[ 2017年5月24日 05:30 ]

カンヌ国際映画祭のコンペ部門に出品された「光」でヒロインを演じた水崎綾女。現地で本紙のインタビューに応じた
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 第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された「光」(27日公開)でヒロインを演じた水崎綾女(28)が、現地でスポニチ本紙のインタビューに応じた。ホリプロタレントスカウトキャラバンで芸能界入りし13年。オーディションで河瀬直美監督(47)に抜てきされ、国際派女優としての一歩を踏み出した。23日には河瀬監督、主演の永瀬正敏(50)らと公式会見に臨んだ。

 水崎は21日に現地入り。映画祭の参加経験は13年の「したまちコメディ映画祭in台東」だけで、「まだ実感が湧かないです。自分がカンヌにいることが本当に不思議でしょうがない」と率直な心境を明かした。

 04年のホリプロタレントスカウトキャラバンでベストグラビア賞を受賞して芸能界入りし、ドラマや映画にも数多く出演。河瀬監督のことは知らなかったが、昨年9月、所属事務所の勧めで「光」のオーディションを受けた。

 監督から怒る演技を求められ10分以上沈黙。「監督とお会いした時に自分と似てると思った。私もうそが嫌いなので、この人にはうそはつけないと感じて、ひたすら怒りの感情が出てくるまで待ちました」。その正直さが抜てきの決め手になった。

 視力を失いゆくカメラマン・雅哉(永瀬)と、視覚障がい者向けに映画の音声ガイド原稿を作る美佐子のラブストーリー。昨年10月から1カ月間、奈良県で撮影。クランクインの10日前から美佐子の部屋として撮影用に借りたマンションで生活。台本は渡されず、河瀬監督独特の「役を積む」スタイルを初体験した。

 劇中に登場する映画の音声ガイド原稿作りも担当。食事を忘れるほど没頭して最初の1週間で5キロ痩せ、「正直疲れました。魂を奈良に置いてきちゃったので、今は魂がない状態」と振り返る。

 30歳を前に大きく飛躍。遅咲きではあるが「13年間、1段ずつこつこつとはい上がってきた。それがあったから何があってもへこたれないし、美佐子として生きられた」と胸を張った。

 カンヌ常連の河瀬監督作品のヒロインで、海外での注目度も抜群。「急に注目されてもどう反応していいのか分からない。大変光栄なこととは分かってるけど、もう一人の自分がここにあぐらをかいてちゃいけないって抑えてる」と笑う。日本時間24日に公式上映を行う。「どういう反応がお客さんから返ってくるんだろう。楽しみです」。まばゆい“光”を浴びてカンヌのレッドカーペットを歩く。

 ◆水崎 綾女(みさき・あやめ)1989年(平元)4月26日生まれ、兵庫県出身の28歳。04年のホリプロタレントスカウトキャラバンでベストグラビア賞を受賞。グラビアアイドルとして活動を始め、07年にテレビ東京のドラマ「キューティーハニー THE LIVE」に出演。13年の主演映画「ユダ」ではヌードや濡れ場に初挑戦した。同年にWebドラマ「熱血硬派くにおくん」で、したまちコメディ映画祭in台東に参加。主な出演作はNHKドラマ「逃げる女」、映画「進撃の巨人」など。昨年7月に一般男性と結婚。1メートル63。血液型B。

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