ひばりさん 30年前の船村氏宛て手紙発見、名曲につながる苦悩と決意つづる

[ 2017年4月9日 05:30 ]

発見された、美空ひばりさんが87年9月に船村徹さんに宛てた手紙
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 1989年に他界した昭和の歌姫、故美空ひばりさん(享年52)が30年前に、今年2月に死去した作曲家の故船村徹氏(享年84)に宛てて書いた手紙が発見された。87年9月25日、船村氏が受け取ったもので、名曲「みだれ髪」の誕生に大きく関わる書簡だった。

 ひばりさんは87年に病に倒れ、4月から8月頭まで入院。「生きるということ むずかしき 夜寒かな」と一編の詩が添えられ「再び歌い出すことが出来るだろうかと毎日頭の中はその繰り返しでした」と心境がつづられていた。

 ひばりさんのスタッフから、復帰作を担当する船村氏に手渡された。ひばりさんからは「今まで以上のどんな曲にでも挑戦しますから、手加減なんかしないでやってほしい」との伝言もあった。それまで、船村氏が難曲を書けばひばりさんが歌いこなすコンビで「波止場だよ、お父つぁん」(56年)、「哀愁波止場」(60年)などの曲を送り出してきた。

 意思をくみ取った船村氏は、またも難曲を書いた。それが星野哲郎氏が詞をつけた「みだれ髪」。低音で始まり、サビではひばりさんが使ったことのないほどの高い音域へ一気に跳ね上がる。これもまた、ひばりさんは見事に歌いこなし、代表曲の一つとなった。

 手紙は船村氏の死後、栃木県日光市の仕事場で遺族が発見。曲の誕生秘話とともに、10日放送のTBS特番「美空ひばり生誕80周年特別企画in東京ドーム 不死鳥コンサート2017」(後7・00)で紹介される。

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