63年養成所入団、67年デビュー…03年に紫綬褒章

[ 2011年7月20日 06:00 ]

原田芳雄さん

原田芳雄さん死去

 原田さんは1940年(昭15)2月29日に、現在の東京都足立区で生まれた。父親は日本人形師だった。高校卒業後、農業器機の販売会社に就職するが、3カ月で退社し、63年に俳優座養成所に15期生として入団。66年に団員となる。団費滞納でフラワーショップでアルバイト。巨人軍・長嶋茂雄氏の結婚披露宴では花の飾り付けを手伝ったこともある。

 67年に舞台「どれい狩り」、フジテレビのドラマ「天下の青年」で俳優デビューし、68年の松竹「復讐の歌が聞こえる」で映画デビュー。才能は70年の「反逆のメロディー」で早くも開花する。ジーンズにサングラスのスタイルで演じた暴力団員役は鮮烈で、原田さんのアウトローイメージを決定づけた。

 71年に俳優座の体質を批判して退団し、以降、映画やドラマを中心とした活動が続き、100本を超える映画やNHK「火の魚」、フジ「不毛地帯」など、最近まで多くのドラマに出演し、存在感を見せつけた。

 ブルース歌手としても知られ、下北沢などでライブ活動を精力的に展開。こうした姿は松田優作さんにも大きな影響を与えた。また、鉄道ファンとしても有名で、テレビ朝日「タモリ倶楽部」内の企画で、東京メトロの検車区や京浜急行の車両工場などを楽しそうに訪れる姿がオンエアされている。

 03年に紫綬褒章。映画賞は「鬼火」(97年)で毎日映画コンクール男優主演賞、「浪人街」「われに撃つ用意あり」(90年)でブルーリボン主演男優賞など多数。

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