洋子は永遠…「思い出の中だけで生きている」

[ 2009年10月22日 06:00 ]

亡くなった妻・南田洋子さんとの思い出話に感極まる長門裕之

 長門は21日、東京・浜町の明治座で川中美幸(53)の座長公演「幸せの行方」に出演。昼夜2公演で、昼の部の開演時間は、南田さんが亡くなった4分後の午前11時。妻の死を知らずに、主人公の父親役を務めた。

 悲報は午後3時すぎから午後4時までの幕あいに関係者から伝えられ、夜の部は涙をこらえて演じた。その後、午後7時から明治座の稽古場で会見。100人以上の取材陣を前に「僕のいとしい、大好きな、すてきな女房が21日午前10時56分、さよならも言わないまま永眠しました」と報告した。前夜、同じ場所で「覚悟は決まってます」と話して、危篤状態であることを明かしたばかり。覚悟していたとはいえ「このわびしさ、この寂しさ…」と現実を前に絶句した。
 05年ごろから認知症を患った南田さんを介護した日々を「僕の人生をよみがえらせ、人生観を変えてくれた。僕を待っていてくれるただ1人の女性でいてくれました。本当に楽しい4年間でした」と回顧。今月17日、倒れる直前に、南田さんが普段は動かない右手で長門さんの指を強く握ったことを明かし「あれが最後の意思表示だった。あの痛さはいい思い出。洋子は僕の素晴らしい思い出の中だけで生きている。これは永遠のもの」と涙でほおを濡らした。
 遺体との対面より舞台を優先したことについては「お客さんはこの芝居を見に来てる。僕のプライバシーは全く関係ない」と言い切った。それでも「あす(22日)は休み(休演日)なので、ゆっくりお別れできる。それが最高にうれしい」と語り、会見後は妻が待つ自宅へ。通夜も、千秋楽(昼の部のみ)が終わった後の29日夜に営む予定で「6日間待たせることになるけど、僕のいないお別れなんてあり得ない。公演が終わったらお別れする」と説明した。

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2009年10月22日のニュース