資金難などで…「黒沢映画祭」今年は中止

　佐賀県伊万里市で毎年１０月に開催される「伊万里・黒沢映画祭」が、今年は中止となることが２７日までに決まった。主催の市民グループ「伊万里まちづくり実行委員会　プロジェクトＫ」によると、資金難などが理由という。

　故黒沢明監督は１９８５年公開の映画「乱」の撮影で同県を訪れた際、伊万里市を気に入り、記念館建設の希望地に選んだ。９８年から同市で建設計画が始動したことをきっかけとして同グループが発足、９９年から映画祭を始めた。毎回、４０００人前後の来場者を集めてきた。
　開催には約５００万円の資金が必要だが、大口スポンサーが撤退したり、地元企業約１２０社から１万円ずつの協賛金を集める労力が膨大なことから断念した。
　同グループの中心メンバー堤茂樹さん（５６）は「今後再開するかは未定。来年は黒沢明生誕１００周年なので、映画祭でなくとも何か盛り上げるような活動をしたいのだが…」と話している。