【近畿学生野球のキーマン】阪南大・竹内勇　目指すは打倒春の王者「やり返せるようにしたい」

阪南大・竹内勇輝投手
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　近畿学生野球連盟（KBL）の1部秋季リーグ戦はあす2日に開幕する。1948年に創設され、国公立、私学あわせて18校で活動する連盟は「文武両道のリーグ」と呼ばれ、フェアプレーの精神を重んじる。ここ5シーズンは21年春から和歌山大、神戸大、和歌山大が制覇し、昨秋、今春と大阪公立大が2連覇するなど国公立大勢が躍進。巻き返しを期す奈良学園大、大阪観光大、阪南大の私学勢も含め、精鋭6校が覇権を争う秋。各校の注目選手を中心に紹介し、展望した。

　阪南大のエース右腕・竹内は、春季王者・大阪公立大の打倒に燃えている。

　「春は初回に点を取られて、相手を勢いに乗せてしまった。（秋の）最終節でやり返せるようにしたい」

　4月2日の開幕戦で初回に5連打を浴びて5失点。4回には同じ四国出身でライバル心を抱く米麦波留（4年＝高松商）にもソロを浴び、計6失点で星を落とした。次節から巻き返し、シーズンで45イニングを投げてリーグ3位の防御率1・40。チームは勝ち点4の2位で、個人としても敢闘賞に輝いたが、優勝を逃した悔しさは消えなかった。

　春の躍進は、昨冬の投げ込みが支えた。チームで決めた1週間に500球の投球練習では、約9割を右打者の外角低めにコース設定。最速142キロの直球の質が上がり、与四球率は昨秋の8・79から1・40へ飛躍的に改善した。垣下真吾監督も「練習量は一番。後輩たちのいい見本になっている」と信頼する。今季の目標には春を上回る「投球回50以上、防御率0点台でタイトル獲得」を挙げた竹内。達成できれば、優勝に大きく近づくのは間違いない。

　那賀町立相生中時代に全国大会へ出場し、鳴門（徳島）では2年夏、3年夏に甲子園出場。背番号10の3年夏は、徳島大会で登板機会はなかったが、甲子園初戦の仙台育英戦で1イニングだけ聖地のマウンドを経験した。「野球をするのは大学が最後。（大阪）公立大に勝って優勝を決められたらいいですね」。快投で勇名をはせ、輝かしい野球人生のフィナーレを飾りたい。　（石丸　泰士）