関西大学野球リーグ

【近畿学生野球】大阪市立大学 強打の3番・武石、4番・寺田が秋春連覇導く

[ 2018年4月13日 11:36 ]

大阪市大創設者の五代友厚像の前で健闘を誓う寺田(左)と武石
Photo By スポニチ

 近畿学生野球連盟1部春季リーグ戦は4月1日に開幕。1948年に創設され、国公立・私学19校で活動する同連盟は「文武両道のリーグ」と呼ばれ「オンルール、フェアプレーの精神」を重んじる。1部は、昨春が和歌山大、同秋は大阪市大が優勝するなど国公立大の躍進が目立った。奈良学園大の巻き返しはあるのか。各校の注目選手を中心に戦力を紹介する。

【大阪市立大学】

寺田 寛輝外野手・武石  惇内野手

 強打に定評がある大市大で4番に座る寺田は昨年、春秋ともリーグ最多20安打以上、通算打率4割を超えた強打者だ。

「去年はヒットを打つことを意識していたが、今年は長打、打球の飛距離も求めたい」と筋力トレーニングを質量ともに増やした。

24年ぶりに優勝を果たした昨秋、MVPとなった河村祐輝とは岸和田で同級、主軸を打った。「国公立で野球をやりたい」と浪人、河村の誘いもあって入学。最上級となる今年は主将・板野修平を支える副主将も務め、MVP級の働きを誓う。

寺田とともに辻盛英一監督が期待を寄せるのが武石だ。昨季は主に代打で5割に迫る打率を残した。公称1メートル68、90キロのどっしり体形で出身地から「おいどん」と呼ばれる「愛されキャラ」だ。

武石は「レギュラーの座を獲るのが目標」と控えめだが、監督は「彼が打てば得点力が上がる」と3番抜てきを視野に入れる。スイングはシャープでコンパクト。今は飛距離を出すため軌道を大きくするよう修正中だ。

投手陣はエースの左腕、玉井光が健在。クローザーに2年生の剛球右腕・塘本(とももと)武司(八尾)が控える。

昨秋、明治神宮大会出場権をかけた関西選手権では関大に0―2で敗れた。辻盛監督は「僅差だが埋まらない力の差を感じた。目標は高まり、自分に厳しい練習ができている」と手応えを感じていた。

 ◆1部リーグ戦展望◆ 大阪市立大、奈良学園大、和歌山大を中心に、例年以上の混戦が予想される。大市大は伝統的に強力な打線を前面に出す。昨年、春秋ともに20安打以上した安打製造機の4番・寺田は「今年は長打も」と意気込む。辻盛英一監督は「全員を平均すると去年よりも打てるし、チーム力は高い」と2季連続優勝を見すえる。奈良学園大は宮本(ヤクルト)、村上(巨人)が抜けた穴を一丸でカバーしたい。投打二刀流で来秋ドラフト候補の菅田は投手の比重が大きくなる。投手陣は大仁、大畑らにも期待が集まる。和歌山大は昨春5勝で初優勝に貢献した貴志が復調。2本柱を形成する左腕・野山とともにフル回転が見込まれる。攻守で中心的存在だった真鍋が抜けたが、テーマである「考える野球」を継続し巻き返しへ虎視眈々(たんたん)だ。神戸大は昨秋ベストナインの投手・岡畑、捕手・野口、中堅・藤岡が抜けた。1番・井上恭、2番・大田が出塁しダブル4番候補の板倉、深川がどこまで還せるか。2番手投手の台頭も待たれる。大阪工業大は2月に合宿を行わず、紅白戦を中心とした実戦を多く積んだ。エース左腕・信田に続く投手として、宇都と深田の2年生コンビが定着するようなら選手層は厚くなる。昇格した大阪観光大は山本樹新監督が就任。投手心理を熟知した継投策がはまるか、手腕も注目される。

 ◆2部リーグ展望◆ 1カード2試合固定の総当たり戦(各校全10試合)による勝率制で争われる。優勝候補筆頭は阪南大。1部の昨季は勝ち点こそなかったが、優勝した大市大などから4勝を挙げた。主力を占める下級生が経験を積み、2部では上位の存在になる。対抗は昨季2位の大阪教育大。チーム防御率2・01の原動力となった中倉、山本の3年生コンビが健在で、首位打者&ベストナインの奥野が打線の中心。悲願の初昇格を目指す大阪大谷大は昨季1勝止まりの右腕・藤沢が復調するか。堅実な試合運びに定評ある大阪大も上位進出をうかがう。 

 ◇近畿学生野球連盟 1948年(昭23)、近畿6大学野球連盟として創立した関西最古の大学リーグ。47年に大阪商科大(現大市大)・稲葉重男監督、大阪理工大(現近大)・松田博明監督が大阪帝大(現大阪大)を勧誘した3校リーグが基礎となった。連盟50周年記念誌『球跡』によると、前身は23年(大正12)に始まった官立高等専門学校野球。28年発足の旧制専門学校主体の関西学生野球連盟(今の同名の連盟とは無関係)を源とする。現在は3部19校で構成。春、秋季リーグ戦、入れ替え戦を行う。連盟規約で目的を「学生野球の理念を実践し、その健全な発展に寄与」とうたい「選手、部員等の文武両道による成長の支援」を明記している。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る