【大学スポーツ】慶應スポーツ新聞会

慶應義塾大学【対明大1回戦】総力戦の末、延長を制す

[ 2017年10月9日 06:30 ]

対明大1回戦   慶大5-明大4 ( 2017年10月7日    神宮 )

連盟記録の4試合連続本塁打を放った岩見(C)慶應スポーツ新聞会
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 優勝に向けもう1敗も出来ない慶大。大事な初戦のマウンドを任されたのは高橋亮吾(総2)。好調明大打線を相手に強気の投球で1、2回をパーフェクトに抑える。高橋亮の好投に応えたい打線は、相手先発の齊藤を攻め3回には1死一、二塁のチャンスを作るが、送りバント失敗などのミスもあり得点ならず。順調な立ち上がりを見せていた高橋亮だったが、3回裏に突如崩れる。2つの四球を出し、一、二塁のピンチを作ると3連打で3点を先制されてしまう。

 チャンスを作るものの後1本が出ない慶大だったが、5回にようやく打線がつながる。代打小原和樹(環2)の四球などで1死一、二塁のチャンスを作ると、柳町、清水翔太(総4)の適時打で2点を返す。これ以上得点を与えたくない慶大の5回のマウンドには佐藤宏樹(環1)。自己最速タイの147キロを計測した速球を軸に、相手打線を三者凡退に抑える。6回には、菊地恭志郎(政3)がマウンドに上がったが2死一、三塁のピンチを作ってしまう。このピンチでマウンドに上がったのはリーグ戦初登板の左腕・田中裕貴(環3)。2球目を捉えられ打球は左中間を抜けるかと思われたが、センター柳町がファインプレーを見せ、この回もなんとかスコアボードに0を刻む。

 そろそろ追いつきたい慶大だが、7回も簡単に2死を取られてしまう。しかし、ここで打席には前の回でファインプレーの柳町。初球を完璧に捉え打球は一直線にライトスタンドへ。今季第1号は貴重な同点弾となった。スタンドの興奮も冷めやらぬ中、打席には大砲岩見。「次1点入れるならホームランしかない」(岩見)。高めの球を鮮やかに流し打ち、ライトスタンドへ六大学野球の歴代トップタイ記録となる、4試合連続のホームランを放つ。慶大らしい一発攻勢で見事逆転に成功した。

 このまま逃げ切りたい慶大だったが、8回に同点に追いつかれてしまう。9回はお互いにチャンス作るものの投手陣が踏ん張り、延長戦に突入する。こまめな継投で投手が残り少ないだけに、早く決着をつけたい慶大は10回に3つの四球で2死満塁のチャンスを作り、打席にはここまで攻守で大活躍の柳町。その威圧感で明大の4番手水野から死球を勝ち取り、勝ち越しに成功する。この回の裏を、9回からマウンドに上がった石井雄也(商2)がゼロに抑え、慶大がなんとか逃げ切り勝利した。

 ここまで相手エースを打ち崩せず初戦を落としてきただけに、明大のエース齊藤を相手に打ち勝った今日の試合は非常に大きな勝利だと言えるだろう。打線は六大学記録となる4戦連続のホームランを放った岩見、ここまで打率5割超えの清水翔を中心に調子を上げてきている。投手陣も絶対的エースはいないが、この日リーグ戦初勝利を挙げた石井やリリーフとして定着しつつある佐藤など、下級生を中心に投手陣の成長著しい。伸び盛りの投手陣と、破壊力抜群の打線がかみ合う姿を想像すると、まだまだ優勝を諦めるのは早いと思わずにはいられない。

 【This is YOUR day!!】 攻守で慶大を支える5ツールプレーヤー 柳町達

 打っては、5回の同点ホームラン。守っては、投手陣を助ける3つのファインプレー。まさに八面六臂の活躍と言えるだろう。1年春からレギュラーでベストナインも獲得した。だがまだ優勝の喜びは知らない。優勝に飢える天才が、崖っぷちの慶大をきっと歓喜に導いてくれるだろう。(慶應スポーツ新聞会・記事:内田 貴啓)

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