【大学スポーツ】慶應スポーツ新聞会

慶應義塾大学【対明大2回戦】初先発の菊地が完封勝利。連勝で勝ち点奪取

[ 2017年5月16日 09:30 ]

対明大2回戦   慶大3―0明大 ( 2017年5月15日    神宮 )

初完封にガッツポーズをする菊地(C)慶應スポーツ新聞会
Photo By 提供写真

 快勝とはまさにこのことだろう。昨日逆転勝利を飾った慶大は、序盤から試合の主導権を握る。2回に郡司裕也(環2)の本塁打で1点を先制。4回には倉田直幸(法4)の適時打で1点、6回には清水翔太(総4)の適時打2塁打で1点と、小刻みな加点に成功した。投げてはリーグ戦初先発の菊地恭志郎(政3)が、序盤から走者を背負うも、味方の好守もあり得点を許さず自身初の完封勝利。投打が噛み合った慶大は、昨季王者に連勝で早慶戦に向けて弾みをつけた。

 昨日、逆転で鮮やかな勝利を飾った慶大。勢いそのままに序盤から慶大ペースで試合は進んだ。初回、先頭の天野康大(環4)が明大先発・森下暢の2球目をセンターに運び、無死一塁といきなりチャンスを作る。バント失敗もありこの回は無得点に終わったが、続く2回に先手を奪う。無死走者無しから、5番・郡司が初球のストレートを振り抜くと、打球は左翼スタンドへ一直線。先制のソロアーチとなり、幸先良く先手を奪うことに成功する。

 一方で慶大先発は菊地。ここまで救援陣の柱としての活躍が印象的だが、実はリーグ戦初先発。救援とは勝手の違う先発に戸惑ったのか、立ち上がりから走者を背負う。だが、初回無死一塁の場面では郡司が盗塁を阻止、二回1死一塁の場面では併殺打とバックの好守もあり、序盤を無失点で切り抜ける。すると打線が菊地の好投に応える。4回、一死から先制弾の郡司が四球を選ぶと、清水翔も中前打でつなぎ、1死一、二塁とチャンスを作り、打席には倉田。追い込まれながらもしぶとく打球をセンターに運び、郡司が生還。貴重な追加点を奪う。

 さらなる援護をもらった菊地だが、相変わらず走者を背負ったピッチングが続く。だが、四回2死一、二塁の場面ではフォークで見逃し三振を奪い粘りを見せる。続く5回は無死一塁の場面で、郡司が再び盗塁を試みた走者を刺し、結果無失点。バッテリーでピンチを乗り越え、スコアボードにゼロを並べる。すると6回、その郡司が内野安打で出塁し、1死一塁とする。ここで慶大ベンチはヒットエンドランを仕掛けると、清水翔の当たりは左中間へ。スタートきっていた一塁走者郡司は一気にホームまで生還。適時2塁打となり、点差をさらに広げた。

 3点のリードをもらった菊地は6回裏、この試合で初めて三者凡退で切り抜ける。7回以降も走者こそ背負うものの、直球、変化球ともに精度良く得点は許さない。そして最終回、マウンドには完封まであと一歩の菊地の姿があった。いきなり連打を浴び無死一、二塁とされたが、続く打者は併殺打に打ち取り2死三塁。勝利まであと一人となった。しかし、ここから連続で四球を与え2死満塁。1本が出れば逆転のピンチを迎えてしまう。迎えた明大7番・渡辺の捉えた打球はライトへ。しかし、これは天野の守備範囲内に収まりゲームセット。菊地はリーグ戦初先発にして完封勝利の快挙を成し遂げた。

 前カードで法大にまさかの連敗を喫し、後が無くなった慶大だが、今カードでは意地を見せた。昨季王者相手に連勝したことで、勢いを取り戻すことが出来たと言えるだろう。また、この連戦の価値はスコア以上のものと考えられる。今までの慶大は打線頼みの要素が強く、勝つときも負けるときも大味な試合が多い印象だった。だが、明大戦はしっかり接戦に持ち込み連勝した。このことが示していることはチームの更なる進化であろう。打撃戦だけではなく投手戦も制することが出来る。つまり、より隙の無いチームになったということだ。立大次第だが、次カードの早慶戦が優勝決定戦となるかもしれない。だが、今のチームなら向かうところに敵は無しと言えるだろう(慶應スポーツ新聞会 記事:天野 拓真)

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