フォークボールの“剣”の達人に千賀滉大 メジャー強打者から中途半端なスイング誘発

[ 2024年1月21日 09:07 ]

メッツの千賀滉大投手(ロイター)

 大リーグ公式サイトが20日(日本時間21日)、球種ごとに「SWORD(剣)」の達人を発表。フォークボールについてはメッツの千賀滉大が選ばれ、昨季17個も「SWORD」を奪ったとしている。

 投手が「えげつない」ボールを投げた時に、打者が完全に翻弄され、ワンバウンドするようなボール球でも振ってしまうことがある。途中でバットを止められず、中途半端な弱々しいスイングになる。こういったスイングを「SWORD(剣)」だとして広めたのがピッチング忍者ことロブ・フリードマン氏だ。少年野球を題材にした2006年の映画「がんばれ!ベンチウォーマーズ」の中の、醜いスイングと「斬らないでください、それ(バット)は剣ではありません」のせりふから着想を得ている。

 23年、4シームで最も「SWORD」が多かったのは、ホワイトソックスのマイケル・コペックで15度、平均95・2マイルの速度と、回転率2501で、高めのボール球に打者はついついバットが出てしまう。シンカーはレンジャーズのジョーダン・モントゴメリーで9度。本来ゴロを打たせる球ゆえ一桁だが、モントゴメリーはこの球を駆使して世界一に貢献した。カッターはアストロズのフラムバー・バルデスで14度。空振り率44%で、マット・オルソン、マイク・トラウトといった優れた打者もバットを止められず空振りを取られた。

 スライダーはブレーブスのスペンサー・ストライダーで45度、空振りのトータルは306度だった。スィーパーはツインズのソニー・グレイで23度、被打率も・097と打者を圧倒した。スラーブはブルージェイズのホセ・べリオスで23度、曲がりが鋭く大きい。ポストシーズンのツインズ戦でも打者を圧倒した。

 カーブはパドレスのブレイク・スネルで28度、うち19度はワンバウンドだったがバットが止まらない。空振り率56%でこのボールでサイヤング賞を取ったと言っても良い。ナックルカーブはダイヤモンドバックスのザック・ゲーレンで29度。縦に曲がり、クリスチャン・イエリッチ、オースティン・ライリーらも餌食になった。

 チェンジアップはブルージェイズのトレバー・リチャーズで22度。普通のチェンジアップより動きが大きく、ブライス・ハーパーも翻弄された。スプリッターはブルージェイズのケビン・ガウスマンで14度。スプリッターだけで3年連続百個以上の三振を奪っている。フォークボールは千賀。お馴染みゴーストフォークでメジャーの打者をきりきりまい。202奪三振の内110個がフォークだった。

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