レイズ移籍の上沢直之 第一印象は好青年 「好きかもしれない」挑戦を応援

[ 2024年1月21日 11:15 ]

移籍会見での上沢
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 どんな活躍を見せてくれるだろうか。日本ハムからポスティングシステムでレイズとマイナー契約を結んだ上沢直之投手(29)だ。他球団からはメジャー契約のオファーもある中で、あえて選んだいばらの道。今後の飛躍を心の底から応援したい。

 思えば、初めて取材させてもらったのは巨人担当だった2020年6月。上沢は前年に左膝骨折の大けがを負い、1軍復帰を目指してイースタン・リーグの巨人戦で調整登板した。この日にたまたま巨人側の取材のために千葉・鎌ケ谷に行っていたため、上沢の囲み取材にも参加させてもらった。第一印象は「好青年」。どの質問にも丁寧に、かつ前向きに答えてくれ「いろんな人のおかげでこの状態までこれたので、恩返ししたい」と周囲への感謝を口にしていた。

 そこから3年が経ち、機会に恵まれて昨年から日本ハム担当になった。1年間取材した結果、最初に抱いた印象は今も変わっていない。時々投げ掛けるくだらない質問にも乗ってくれるし、野球についての話も深くて面白かった。特に興味深かったのは、先発登板前の「ジャンプ」で自分の体の状態を確認すること。登板の前日などに垂直跳びの高さを計測し、体の好不調を見るバロメーターの一つにしているといい「頭で“疲れた”と思ってても、体的には疲れてないのかもしれないので。数値とかで確認する」と言っていた。探究心ある上沢ならではの調整方法だと感じる。

 11年ドラフト6位でのプロ入りとなったが、自らの力ではい上がってきた。今度はマイナーから単身での米国挑戦。チャレンジすることは好きなのか。そう問うと、こう返ってきた。「なんか…、挑戦することが好きなんですかね、僕。わからないですね。そういう人間じゃないと思ってたんですけど…。意外とそうなのかもしれないし、そういうところから成功したら自分の野球以外というか、人生において大切な何かを得られるような気がするので。下からはい上がるのって凄く僕の中でいい経験になると思うので。そういうのが好きなのかもしれないですね」。挑戦する人は凄くかっこいい。上沢選手、頑張ってください。(記者コラム・田中 健人)

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