ドジャースは山本由伸の独特のトレーニング方法にも強い関心、矢田修先生もロサンゼルスに同行

[ 2023年12月30日 11:06 ]

ドジャース・山本由伸(AP)
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 スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のファビアン・アルダヤ記者が、ドジャースの編成部門の重役で、山本由伸(25)を全部で16回も見たというガレン・カー氏を取材している。

 ドジャースはとても賢明な球団で、アンドリュー・フリードマン編成本部長下では、無謀な投資はしてこなかった。しかし今回山本に12年総額3億2500万ドルとリスクの高い契約を与えた。フリードマン編成本部長、ブランドン・ゴメスGM、環太平洋スカウト部門の責任者ジョン・ディーブルなど多くの重役が球場で直接山本を見たが、特に熱心だったのがカー氏だった。

 3年連続沢村賞の実績について「山本はトップレベルに上がってからは圧倒的な存在であり続けている」と目を丸くする。注目するのは適応力の高さだ。

 今年侍ジャパンの宮崎キャンプで、投球フォームを大幅に変えていたのに驚いた。足を高く上げるのではなく、スライドステップで動きを簡潔にしていた。「あれだけ成功して、圧倒的な存在だったのに、そこからこんなに大きく変えるなんてとても稀なケース。しかも23年はより良いシーズンになった」。「身体を訓練し直すだけでなく、新しいフォームをしっかり自分のものにした。改良を万全に成し遂げていた」。

 カー氏がその上で強い興味を持ったのは山本のトレーニングを指導してきたキネティックフォーラムの矢田修先生の考え方だった。ジョエル・ウルフ代理人によると、矢田先生は山本のドジャース移籍に伴い、ロサンゼルスに同行するという。カー氏などドジャースのスタッフは、やり投げトレーニングなど、矢田先生に直に考え方を質問、勉強しようともした。「山本のやり方は、我々の理解していた野球のトレーニング方法と比べると、型にはまらないし全く違っている。そのことが我々にとっては際立っていたし重要だった。明らかなのは、山本の実績が多くを物語っているということ。米国では投手がケガをする確率は高いし多くの投手が壊れている。MLBの関係者で、我々が投手のトレーニング方法を極めたと言える人は誰もいないと思う」。

 もちろん山本はこれからMLBのボールに慣れていかないといけないし、24年シーズン、ドジャースがローテーションを5人で回すのか、山本に合わせて6人で行くのかも、ゴメスGMによるとまだ確かではないという。だがドジャースは山本は12年総額3億2500万ドルに値する投手だと判断した。「彼は並外れたアスリート。それ以外に表現のしようがない。そしてそれは私たちだけでなく、野球界で多くの人がそう感じていた」とカー氏は話している。

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