ロッテ・佐藤奨真 技巧派左腕が社会人で目指す全国制覇 新天地はロキテクノ富山

[ 2023年12月30日 05:45 ]

ロッテの佐藤奨
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 侍ジャパンが世界一を奪還した3月のWBCから、阪神とオリックスの関西決戦となった日本シリーズまでプロ野球で彩られた2023年。バラ色のオフを過ごす選手がいる一方、多くの選手がユニホームを脱いで再出発する。今年も去りゆく選手を2回に分けて紹介する、年末恒例の「惜別球人」。プロ生活の経験や思い出を胸に、新たな道へ進む野球人に、幸あれ。

 佐藤奨が明るい未来を予感させた瞬間がある。プロ初先発だった22年5月14日のオリックス戦。相手先発は山本だった。今オフにドジャースと12年総額3億2500万ドル(約458億円)で契約を結んだ右腕と投げ合い、6回を2安打1失点(自責点0)。白星はつかなかったが、育成出身の左腕が光り輝いた。

 20年の育成ドラフト4位で入団し、22年3月に支配下登録。22年は9試合に先発するなど11試合で2勝6敗、防御率4・64と一定の成績を残した。だが飛躍を期した今季は自主トレ期間中に新型コロナウイルスに感染するなどして出遅れ、そのまま1軍で登板することなくシーズンが終わってしまった。プロ3年目を終えたばかりでの戦力外通告。「体ができる前に投げ込んで悪くなり、焦って投げ込んでさらに悪くなる悪循環。まだ全然やれる、と思っているので野球から離れる選択肢はないです」と前を向く。

 新天地は社会人野球のロキテクノ富山。「プロ入りしたことに後悔は一つもない。今は都市対抗出場、全国制覇の力になれるように頑張ろうという気持ちです」と力を込める。パワーピッチャー全盛の時代に珍しい技巧派。たった3年間ではあるが、プロで生き残るために試行錯誤を重ねて得たものを、新天地での活躍につなげる。(大内 辰祐)

 ◇佐藤 奨真(さとう・しょうま)1998年(平10)6月2日生まれ、東京都出身の25歳。関東第一、専大を経て20年育成ドラフト4位でロッテ入団。22年3月に支配下登録され、同6月12日のDeNA戦でプロ初勝利。1メートル77、78キロ。左投げ左打ち。

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