西武・中熊大智 黄金期復活へ!ブルペンからサポート 投手見る目線同じでも役割は180度変わる

[ 2023年12月30日 05:45 ]

支配下契約を勝ち取るも通算1試合出場でキャリアを終えた中熊
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 侍ジャパンが世界一を奪還した3月のWBCから、阪神とオリックスの関西決戦となった日本シリーズまでプロ野球で彩られた2023年。バラ色のオフを過ごす選手がいる一方、多くの選手がユニホームを脱いで再出発する。今年も去りゆく選手を2回に分けて紹介する、年末恒例の「惜別球人」。プロ生活の経験や思い出を胸に、新たな道へ進む野球人に、幸あれ。

 投手を見る目線は同じでも、役割は180度変わる。現役を終え西武のファームブルペン捕手に転身した中熊は「気づいたことがあっても投手に言わない方がいいのかな、と思ったり、基本的に受け身。この仕事は選手第一に考えながら」と裏方の難しさを痛感している。

 徳山大から18年育成ドラフト3位で入団。強肩強打の捕手としてアピールに成功して22年7月に支配下登録されたが、1軍出場は同年7月20日のロッテ戦だけに終わった。しかも代打のわずか1打席。「もう少し打席に立ちたかった」と苦笑いで振り返る。

 「迷惑をかけた試合の方が覚えています」と最も印象に残っているという日を明かした。プロ2年目。コロナ禍で開幕が遅れた20年6月に行われた楽天との練習試合。先発マスクをかぶったが、5回までに10失点して途中交代となった。「僕の指一つで、投手はうなずいて投げてくれる。投手の人生が懸かっている」と痛感。捕手の迷いは勝敗に直結することを肌で感じた。

 5月に右肘を手術して完治が遅れ、オフに戦力外通告を受けた。それでも明るい人間性と人望の厚さを評価され、ブルペン捕手として第二の人生をスタートさせる。「プロに入れて成長させてもらった。少しでも支えられたら」。黄金期の復活を目指すチームを、裏方として支えていく。(福井 亮太)

 ◇中熊 大智(なかぐま・だいち)1996年(平8)8月27日生まれ、熊本県出身の27歳。九州学院から徳山大に進み、2年秋と4年春に中国六大学リーグで首位打者。18年育成ドラフト3位で西武入団。22年7月に支配下登録。1メートル76、87キロ。右投げ左打ち。

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